2022 Fiscal Year Annual Research Report
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21J20735
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
佐藤 陽太郎 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 超弦理論 / アノマリー / 双対性 |
Outline of Annual Research Achievements |
type IIA超弦理論、M理論におけるアノマリーについての論文を立川裕二、渡利泰山と共著で書き上げ、arXiv、JHEP に投稿した(JHEP 09 (2022) 043)。 本研究では、まず場の量子論の一般論として、ソリトンの上に奇数個のmassless fermionがいる場合、その理論はアノマリーを持つ、ということを示した。その後、M理論、超弦理論において、ブレーンというソリトン上のmassless fermionの個数を調べ、アノマリーの有無を議論した。その研究成果を二つの学会で発表した。 その後、理論、超弦理論のアノマリーに関して、先述の論文では調べきれなかった例について、ソリトン上のmassless fermionの個数を調べた。また、知られているアノマリーが我々のセットアップで理解できるか、という点についても調べ、我々のアノマリー判定法がどの程度の汎用性を持っているのか検証している。 また、渡利泰山、榎優一と共著で2022年12月に論文をarXivに投稿した。本研究では、知られている分類学をもとに、あるクラスのコンパクト化についてモノドロミー行列をコンピューターで数値的に計算し、その結果に対して整数性を要求することで理論がゆるすコンパクト化に制限をかけるということを行った。 また、このHeterotic理論は双対となるIIA理論を持ち、IIA理論の観点から K3-fibred Calabi-Yau 3-foldの分類にも貢献した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度、当初の研究対象であるIIA-Heterotic双対性に関する論文の他にも、双対性の議論をしている最中に問題意識に上がったアノマリーという側面から超弦理論の理解を深め、新たな論文に繋がったことから。
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Strategy for Future Research Activity |
ソリトン上のmassless fermionに焦点を当て、超弦理論、M理論の様々なセットアップに関してアノマリーの有無を調べることを第一目標とする。この研究は、超弦理論、M理論の許されうる真空を調べ、分類するという当初の研究目的とも合致するだけでなく、anyonなどの物性物理学と超弦理論をつなげるという観点でも有用であると考えている。
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