2023 Fiscal Year Annual Research Report
光スイッチング型ラマンプローブによる多重超解像イメージングの実現
Project/Area Number |
22KJ0628
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤岡 礼任 東京工業大学, 生命理工学院, 助教
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | ラマンプローブ / 光スイッチング / 超解像イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに開発を達成した光スイッチング型ラマンプローブDAE620を用いた超解像ラマンイメージング(RESORT)の研究成果を投稿論文にまとめ、提出した。本研究では光照射によってラマン信号を変化させる分子を開発できればRESOLFTと同様の原理に基づいて超解像ラマンイメージング(RESORT)を達成できるのではないかと考え、研究を行った。共鳴ラマンでは分子の吸収波長によってラマン信号強度が変化することに着目し、光照射によって吸収波長が大きく変化し、かつ光スイッチング特性にも優れているジアリールエテン誘導体の合成に取り組んだ。その中でプローブの候補化合物として見出したDAE620は可視・紫外光照射によって長波長の閉環体と短波長の開環体の構造をスイッチング可能であることが確認され、この構造変化によってfingerprint領域のラマン信号に大きな変化が生じることが明らかとなった。開発したDAE620を電子線レジストに塗布した基板上では、ドーナツ光の照射強度が高くなるにつれて空間分解能が向上することが確認され、RESORTイメージングに適した特性を有していることが確認された。さらに、DAE620は生きた細胞およびショウジョウバエ組織中でも可視・紫外光の照射によってラマン信号をスイッチング可能であることが確認され、ミトコンドリア局在リガンドを導入したDAE620-Mitoを用いて細胞中でRESORTイメージングを行えることが実証された。本研究成果はScience Advances誌に投稿・受理された。
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