2021 Fiscal Year Annual Research Report
中心体増加検知システムを介する細胞がん化抑制機構の解明
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21J21492
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
竹田 穣 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 中心体 / ストレス応答 / 細胞分裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.中心体増加ストレス応答スクリーニング結果の詳細な解析による注目因子の抽出 これまでに中心体増加を人為的に誘導したヒト培養細胞系を用いたゲノムワイドノックアウトスクリーニングにより、中心体増加ストレス応答に関与する重要因子の候補を得ていた。当該年度においては、ヒト由来の1000以上の細胞株で行われたゲノムワイドノックアウトスクリーニング結果を統合したデータベース、DepMapを用いた階層的クラスタリングなど、統計的な新規手法による追加解析を実施し、より信頼度の高い候補因子の抽出、さらに候補因子間での機能類似性の推定を実現した。 2.注目因子ノックアウト細胞株の作製 上記の複合的解析の結果として得られた信頼度の高い候補因子群について、所属研究室で新たに最適化されたCRISPR-del法を用いてノックアウト細胞株の作製を行った。ヒト正常二倍体細胞株であるRPE-1細胞に対して、事前に試験管内転写を行った2種のsgRNAを同時導入し注目因子のコード領域全体を欠失させる当手法によって、当該年度中に注目因子のノックアウト細胞クローンを複数得た。 3.細胞免疫染色法による中心体増加ストレス応答解析系の樹立 ストレス応答の結果として性質が変化するマーカーを用いて、中心体増加ストレス応答が起きているか否かを細胞単位で判断することが可能な実験系を細胞免疫染色法をベースとして新たに樹立した。この系を利用することによって、ノックアウト細胞などで簡便にストレス応答への影響を解析できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定に加え、新たな解析手法を導入して注目因子抽出の効率化を達成した。その一方で当初予定していたノックアウト細胞株の作製等に関しては計画に対する部分的な遅延が生じている。これらの結果を総合して上記のように進捗状況を評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、ノックアウト細胞株や解析系など実験ツールの樹立に注力しつつ、段階的にそれらを用いた細胞生物学的実験に移行する。
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