2021 Fiscal Year Annual Research Report
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21J21967
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浅野 敬大 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | リアルタイム制御 / 高速ビジョン / 柔軟物制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の研究活動ではアーム構造の再検討とそれに基づくアームの製作を行った。これと並行して認識手法を検討し、最低限の構成でアームシステムを構築した。以下に概要を記す。 本研究で提案するアームは外皮と内容物からなる一段構造を基礎とし、この構造を多段的に接続することで構成される。再検討においては接続に焦点を当て、多段的な接続に適した形へ一段構造を変更した。これは、動作の前後において中空を保ちながら伸長する構造であり、多段的に接続した際に生じる先端側への配管を中空部に収納することが可能と考えられた。また、実際にこの構造を有する外皮を製作し、その有効性を確認した。製作に当たっては加工工程を見直し、手作業で行っていた工程の一部に工作機を導入した。これにより導入前と比べて複雑な形状の外皮が製作可能となり、再検討で得られた構造を実現可能となった。製作した外皮は十分な伸長性能を有し、伸長動作の前後において中空が保たれることも確認された。 認識手法に関しては、高速カメラを用いたマーカーのトラッキングを検討した。トラッキングプログラムを実装し性能を評価したところ、画像サイズを制限することで十分な速度で動作可能なことが確認された。広角レンズを採用したことで、制限された画像サイズに反して捕捉可能な領域は十分に広く、アームを制御する上で申し分ないと考えられた。外皮に対するマーカーの設置に関しても、設置場所に応じて適した形状のマーカーを選択することで、伸長動作を妨げることなく採用可能と考えられた。 アームシステムの構築においては構造の簡易性を優先し、変更前の外皮構造を持つ一段のアームを採用した。ここに駆動用のサーボモータを接続し、3自由度で制御可能な系とした。実際の動作では手動で機器を操作し、空気の送入による外皮の伸長、腱駆動による形状変化、内容物の送入と外皮内部の減圧によるジャミング転移を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は一段構造での動作に必要な基礎的な要素に取り組んだ。元々アームのモデル化とそれに基づく制御方針の考案を予定していたが、有用な方針を見いだすに至らなかったため、課題の分割方法を変更することとした。具体的には、初年度の研究対象を一段構造の動作に限定するとともに、多段化に向けた構造変更を行った。これをもとに、次年度において変更後の一段構造の動作を実現し、多段化したアームシステムを構築する予定である。よって最終目標に対する進捗として、初年度としては十分と考えられる。 なお、方針を途中で変更したことでシステム構築を行う時期が年度の後半にずれたこと、コロナウイルスと半導体不足の影響で必要な部品の調達に想定よりも時間を要したことなどにより、システムの完成と実験が年度末へずれることとなった。そのため成果発表を年度内に行うことができず、現在準備中である。
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Strategy for Future Research Activity |
変更前のアーム構造に対して最低限の動作が確認されているため、これを変更後のアーム構造へと適用する。この結果を踏まえて多段化されたアームを制作し、制御機構を備えたシステムを構築する。必要に応じて構造のさらなる修正やアーム動作のモデル化も検討する。
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