2023 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚と骨における音波の伝搬モデルを用いた骨伝導音響デバイスの音漏れ抑止
Project/Area Number |
22KJ0673
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 健 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 音漏れ / 骨伝導 / 補聴器 |
Outline of Annual Research Achievements |
・実測による音漏れの解析:骨伝導の音漏れの原因を解明するために、まず皮膚と骨を模擬したファントムを製作した。そのファントムの中央に骨伝導の振動子を設置し、そのときの表面の振動を近距離音響ホログラフィにより可視化した。また、皮膚表面の音圧分布の可視化し、骨伝導の振動部分が一番音漏れが大きいものの、周辺部分での音漏れもあり、その面積は大きいために音漏れに大きく寄与することを明らかにした。 ・シミュレーションによる音漏れの解析:ファントムにおける振動を説明するためのモデルを確立するために有限要素法のシミュレーションや、平板モデルによる波の伝搬のシミュレーションを行った。しかし、実際の測定と整合性のとれたシミュレーション結果を得ることができなかった。皮膚における音漏れのモデル化については、皮膚は非線形であるため、シミュレーション上における振動の様子が安定せず、少し条件を変えただけで大幅に結果が変わるということがわかった。モデル化の基礎となる予定だったシミュレーションが思うようにうまく行かず、モデル化まで至らなかった。 ・骨伝導スピーカの音漏れが実際のユーザ体験に及ぼす影響:骨伝導スピーカの音漏れが実際のユーザ体験に及ぼす影響を調査するため、骨伝導スピーカを搭載したメガネ型補聴器に関する評価を行った。そのデバイスを参加者に2週間装着してもらい、ユーザに毎日質問紙に答えてもらい、ユーザ体験を収集した。メガネ型補聴器の装用率向上に必要な要素を明らかにしつつ、骨伝導スピーカの音漏れによってハウリングがユーザから不快な現象としてよく報告された。しかし、骨伝導スピーカの音漏れは空気を伝わってくるものというよりは、メガネ本体を伝わる事によるハウリングが見られ、骨伝導デバイス自体を伝わる音漏れを考慮する必要があるということがわかった。
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[Journal Article] A randomized crossover study in single- sided deafness comparing a cartilage conduction CROS system and an air conduction CROS system.2024
Author(s)
K. Takaki, A. Kashio, E. Nozaki, T. Kanai, T. Kamogashira, F. Saze, T. Uranaka, S. Urata, H. Koyama, Y. Kawahara, and T. Yamasoba.
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Journal Title
Otology & Neurotology
Volume: -
Pages: -
Peer Reviewed
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[Presentation] asEars: Designing and Evaluating the User Experience of Wearable Assistive Devices for Single-Sided Deafness2023
Author(s)
K. Takaki, E. Nozaki, T. Kanai, A. Hautasaari, A. Kashio, D. Sato, T. Kamogashira, T. Uranaka, S. Urata, H. Koyama, T. Yamasoba, and Y. Kawahara
Organizer
Proc. of ACM CHI
Int'l Joint Research
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