2021 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of site-selective sequential dealumination and defect healing in the micropores of zeolite
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21J22282
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉岡 達史 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | ゼオライト / 環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
ゼオライトは分子サイズの細孔を有する安全かつ高機能な多孔質材料であり、触媒、吸着材、イオン交換材に利用される。その応用は石油化学触媒など古典的な用途からディーゼルエンジンの排ガス触媒、二酸化炭素の吸着など環境問題に関する用途多岐にわたる。高性能なゼオライト触媒を創出するために、①Al量・サイトの自在制御と②構造欠陥の低減が喫緊の課題である。これまでの研究では、①Al量・サイトの制御について、細孔内に有機分子が存在する状態でのゼオライトの酸処理によってAlの選択的除去を実証した。特に、処理条件や繰り返し回数を制御することでAl量の自在な制御を実現し、用途に応じて最適なAl量のゼオライトを合成する可能性を示した。また、得られたゼオライトは細孔拡大移動プロセス(POMP)と呼ぶ特殊なプロセスにより脱Alが進行していることを示した。②構造欠陥の低減に対しては、細孔中に有機分子が存在する状態での熱水処理法によって欠陥補修を行った。特に、細孔内の有機分子が熱水処理法による欠陥修復においてゼオライトの構造安定化に主体的な役割を担っていることを示した。得られたゼオライトは750℃でのスチーミングにおける高いスチーム耐久性及びNOx選択的還元において高い触媒安定性を示すことが確認された。この触媒性能は、欠陥修復および細孔拡大により銅イオンの導入量が増加したことが寄与していることも示唆された。得られた成果は学会で積極的に発表したほか、学術誌に論文を投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は、高性能なゼオライト触媒を創出するため①Alサイトの自在制御と②構造欠陥の低減を目標とし、それに向けて①Alサイトの自在制御に対して、細孔内に有機分子が存在する状態でのゼオライトの酸処理によってAlの選択的除去を実証し、有機分子の構造とAlサイトの関係性を解明したのち、酸処理条件・有機分子構造を連続的に制御することでAlサイトの自在制御法を確立する、②構造欠陥の低減に対しては、細孔中に有機分子が存在する状態での熱水処理法によって欠陥補修を行う、の2つの方針を取り研究を進めていた。2021年度は①について細孔内に有機分子が存在する状態でのゼオライトの酸処理によってAlの選択的除去を実証したほか、②について構造欠陥の低減に対しては、細孔中に有機分子が存在する状態での熱水処理法によって欠陥補修を行ったことから、当初の計画以上に進展していると考えた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、①Alサイトの自在制御については、細孔内に導入する有機物を変更することによりAl除去量・サイトを変化させることをめざす。また、ゼオライト合成原料を変化させるアプローチも検討する。②構造欠陥の制御については、合成時間の長短がゼオライト結晶化度に与える影響を調査する予定である。
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