2023 Fiscal Year Annual Research Report
A Novel Lightweight Design and Manufacturing for Aircraft Wing Structure
Project/Area Number |
22KJ0676
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河邉 拓樹 東京大学, 新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 構造最適化 / バイオミメティクス / トポロジー最適化 / 補強外板構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の航空機構造設計では,設計者が経験的に決定する構造線図に従って各部材の強度計算を行うため,新たな構造様式が生み出されにくい.また,今後は3Dプリンタのような自動製造技術がモノづくりの主流となることが予想されるが,対応する設計技術は確立されていない.そこで本研究では,バイオミメティクスに立脚した革新的な構造設計手法によって,従来の設計手法からの脱却を図り,現行の複合材機体に対して大幅な軽量化を実現する設計・製造基盤の構築を目的としている.
昨年度までの研究では,優れた構造特性を有するトンボの翅に着目し,翅脈を構成する第一・第二翅脈の概念的な特徴をそれぞれ構造最適化の一手法であるトポロジー最適化・数学的に定義される幾何学模様であるボロノイ分割によって補強部材の配置設計に適用する手法を提案した.提案手法を設計対象に適用したパラメータスタディにより軽量構造を得られることが示唆されたが,多数の設計変数を扱う膨大な計算コストが課題となった.また,提案手法により得られた構造の一部を抜粋し,複合材による試作を行うことで製造実現性を検証した.目視検査により当該構造を造形できることは確認できたが,供試体への非破壊検査により,航空機構造において実用性に欠ける欠陥が多数確認された.
最終年度では,計算コストを抑えて多様な設計解を探索できるデータ駆動型マルチフィデリティトポロジー最適化(D2MFTD)に着目し,その内部で使用される機械学習モデルを拡張することで補強外板構造に適用した.その結果,強度設計で重要な応力集中を大幅に軽減できる軽量構造が幅広い設計空間で探索可能になった.現時点での製造実現性を考慮し,上記のD2MFTDでは等方性材料を使用したが,複合材機体の構造設計へ適用するため,製造実現性の向上に合わせて異方性材料へ拡張し,供試体の物性値に基づいたトポロジー最適化を実装する必要がある.
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