2022 Fiscal Year Annual Research Report
革新的な足部骨運動推定システム開発による足変形メカニズム解明と新規治療法への展開
Project/Area Number |
22J00304
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松本 優佳 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 足部 / 運動学 / 機械学習 / 歩行 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、非侵襲的に動作中の足部3次元骨運動を推定する新たなシステムを機械学習に基づいて開発し、外反扁平足患者の歩行動作における足部3次元骨運動と各骨に働く力学的ストレスを評価することで、外反扁平足の発症・進行メカニズムを解明することを目的とした。 まず、足部表面に貼付した反射マーカーとCT画像から得られる3次元骨形態・骨運動の対応関係を求めることで、運動中の足部3次元骨姿勢を推定するシステムを予備的ではあるが構築した。具体的には、健常者の足部皮膚表面上に41個の反射マーカ(直径4 mm)を貼付して3つの足部姿勢(底屈位、背屈位、中間位)でCT撮像を行い、足部姿勢の変化に伴う反射マーカーの3次元運動と足部各骨の3次元姿勢の対応関係を求めた。同様のデータを、2方向X線装置やCT装置に基づいて屍体足部においても取得することで、量と質を相互補完的に担保したデータベースの構築を行なった。次に、反射マーカの3次元位置変化を入力、足部各骨の3次元位置・姿勢の変化を出力(正解データ)として深層ニューラルネットワークの教師あり学習を行なった。データの量が蓄積されるにしたがって、運動中の足部3次元骨姿勢をより高い精度で推定することが可能となった。 また、足部に41個の反射マーカーを貼付した被験者について、モーションキャプチャシステムと床反力計を用いて、動作計測(歩行・走行・ジャンプ動作)を実施した。今後は、システム構築に必要なデータの収集をさらに進めつつ、システムの問題点の検討と改善に努める予定である。また、運動中の反射マーカーデータから骨姿勢の推定を試みる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、非侵襲的に動作中の足部3次元骨運動を推定する新たなシステムを機械学習に基づいて開発するために、足部表面に貼付した反射マーカーとCT画像から得られる3次元骨形態・骨運動の対応関係のデータ収集を行う必要がある。現在までに、健常成人男性、および屍体足部を対象に上記データを収集した。具体的には、足部皮膚表面上に41個の反射マーカ(直径4 mm)を貼付して3つの足部姿勢(底屈位、背屈位、中間位)でCT撮像を行い、足部姿勢の変化に伴う反射マーカーの3次元運動と足部各骨の3次元姿勢の対応関係を求めた。データ数は少ないものの前者を入力、後者を出力(正解データ)として深層ニューラルネットワークの教師あり学習により運動中の足部3次元骨姿勢を推定するシステムを予備的ではあるが構築することが可能となった。現在は学習に用いなかったマーカーデータを入力としてその時の足部骨姿勢を推定し、それを正解データと比較することで、システムの問題点の検討を行っている段階である。さらに、足部に41個の反射マーカーを貼付した被験者について、モーションキャプチャシステムと床反力計を用いて、動作計測(歩行・走行・ジャンプ動作)を実施した。今後このデータから運動中の骨姿勢の推定を試みる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、非侵襲的に動作中の足部3次元骨運動を推定する新たなシステムを機械学習に基づいて開発するために、足部表面に貼付した反射マーカーとCT画像から得られる3次元骨形態・骨運動の対応関係のデータ収集を行う必要がある。健常者だけでなく屍体足部を対象とすることで、量と質を相互補完的に担保したデータの蓄積に努める。またデータの正規化や、入力データに回転や平行移動などの微小な変化を与えてデータの拡張を行うことで、より認識精度の高いシステムの構築を目指す予定である。
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