2022 Fiscal Year Annual Research Report
送粉者サイズに応じて進化した花の細胞サイズ変異の遺伝的基盤と一般性の解明
Project/Area Number |
22J00636
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田路 翼 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 送粉 / 花サイズ / 遺伝 / マルハナバチ媒植物 |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの植物種で花サイズ変異は送粉者サイズ変異との関連によって生じたことが明らかになっている。本研究では、このような花サイズ変異は細胞サイズ変異から由来しているという仮説を建て、野外集団を対象とする花サイズ調査と花を構成する細胞の形態観察を行った。研究当初は4科6種のハチ媒植物において、花サイズ変異と細胞サイズ変異の相関関係を予備的に見出していたが、今年度の観察により6科9種の植物で花サイズの変異と細胞サイズの相関関係を得た。今後は野外集団における花サイズの地域差(バリエーション)が訪花昆虫の淘汰圧によってもたらされているのかどうかを確かめる。また、花サイズ変異に細胞サイズ変異が効いているのか、細胞数が効いているのかを定量的に示す必要がある。 さらに、6科9種のうち4種の植物では野外共通圃場および人工気象器での栽培を行うことができた。様々な形質のバリエーションを持つ集団由来の株を集めた共通圃場の結果から、3種の植物において花サイズが遺伝的に決定されることが確認できた。引き続き、研究対象の他の植物についても花サイズの遺伝性を確かめつつ、室内実験系に持ち込むための栽培化に取り組んでいく。さらには適宜、ゲノム情報を活用して、花筒や距の有無や長大化に関連する遺伝子の探索も合わせて行っていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の観察により6科9種の植物で花サイズの変異と細胞サイズの相関関係を得ることができた。今後は花サイズ変異に細胞サイズ変異が効いているのか、細胞数が効いているのかを定量的に示す必要がある。さらに、6科9種のうち4種の植物では野外共通圃場および人工気象器での栽培を行うことができた。様々な形質のバリエーションを持つ集団由来の株を集めた共通圃場の結果から、3種の植物において花サイズが遺伝的に決定されることが確認できた。本年度の成果は研究の前提を確かめるための実験や来年度以降につながる準備段階としての位置づけである。今後は本命のデータの取得に取り組んでいく。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、野外集団における花サイズの地域差(バリエーション)が訪花昆虫の淘汰圧によってもたらされているのかどうかを確かめる。続いて、研究対象の他の植物についても花サイズの遺伝性を確かめつつ、花サイズ変異に細胞サイズ変異が効いているのか、細胞数が効いているのかを定量的に示す。さらには適宜、ゲノム情報を活用して、花筒や距の有無や長大化に関連する遺伝子の探索も合わせて行っていきたいと考えている。
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Research Products
(3 results)