2022 Fiscal Year Annual Research Report
不確定な力学環境に適応可能な宇宙機の自律軌道誘導制御
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22J10729
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤原 正寛 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 可観測性 / アクティブセンシング / 軌道最適化 / Fisher情報行列 / 最適制御理論 / 状態推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、宇宙機の状態量(位置や速度、ダイナミクスモデルに含まれる物理パラメータ)の推定精度を高めつつ、目的の軌道誘導を達成するための最適化手法の構築を行った。従来の類似手法では最適化計算の際に数値微分を使用しており、この計算コストがボトルネックとなり適用できる問題の範囲に限界があった。提案手法では、制御入力をインパルス的な速度変化と仮定し、ある制御入力とその次の制御入力との間の期間で得られる観測量を用いて、状態量の可観測性指標の一つであるFisher情報行列を計算した。このようにして求めたFisher情報行列のスカラー化関数(トレースや最小固有値など)をコスト関数に加えることで、従来手法において数値微分で求めていたコスト関数の勾配およびへシアンを準解析的に計算できることを示した。これにより、数値微分と比べ計算時間を改善できる上、逐次二次計画法や微分動的計画法のような宇宙機軌道設計で広く利用されているアルゴリズムにより解くことができる。 提案手法の有効性を検証するため、線形システム、宇宙機のランデブ誘導、小天体の重力推定という複雑度の異なる複数の問題に適用した結果、いずれにおいても状態量の推定精度を高めつつ目的の軌道誘導を達成する解が得られた。さらに提案手法の計算効率の高さを活かし、オンラインでの軌道再設計および確率軌道最適化へ拡張することにより、推定対象の状態量に誤差がある場合においても制約条件を満たす解が得られた。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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