2023 Fiscal Year Annual Research Report
水生成を伴う原始大気の進化モデルの構築と系外地球型惑星の獲得水量予測
Project/Area Number |
22KJ0816
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
木村 真博 国立天文台, 科学研究部, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 系外惑星 / 惑星形成 / 地球型惑星 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの研究においては,系外惑星の軌道やサイズ,そして海水量といった情報を理論的に予測するために,現在の惑星形成理論の統合モデルを開発した.そして現状の理論において標準的に用いられているパラメータなどを用いて,系外惑星のもつ海水量を見積もった.その結果,多様な海水量をもつ惑星の存在が示唆されたが,その存在頻度に関してはモデルパラメータに依存することもわかった. そこで本年度の研究では,現在得られている系外惑星観測量(主に惑星のサイズと公転周期)の分布を用いて,不確定なパラメータに制約を与えることを目標とした.具体的には,系外惑星観測データと自分の理論モデルの結果とを統計的に比較し,パラメータ推定を行う手法の開発を進めた.また,その比較を行うためには大規模なパラメータスタディを行う必要性が明らかとなったため,モデルの計算コストの削減に向けていくつかの改良を施した.特に着目したのは惑星同士の巨大衝突・軌道散乱プロセスである.このプロセスは最終的な惑星の質量や軌道を決定する重要なものであるが,その計算には従来N体計算が用いられており,膨大な計算時間が必要となっていた.そこで本研究ではこのプロセスをN対計算以外の手法で計算するための半解析的モデルを新しく開発し,これによって計算コストの大幅な削減に成功した.現在この成果を論文にまとめ,国際誌への投稿に向けて準備中である. またモデルによって得られる理論的な惑星の分布(惑星の公転周期やサイズの頻度分布など)と実際の系外惑星の分布とを統計的に比較し,モデル中に存在する多くのパラメータについて推定を与えるために,マルコフ鎖モンテカルロ法を用いた方法を現在開発中である.これには非常に多くのモデル計算コストが必要になるが,今年度進めた研究の成果によって,十分に現実的な時間で計算が可能になった.
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Research Products
(7 results)