2022 Fiscal Year Annual Research Report
ALMAとすばるの協調観測から多角的に探るサブミリ波銀河の爆発的星形成機構
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22J11761
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三橋 一輝 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 銀河形成 / 銀河進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
爆発的星形成のメカニズム解明には、一般的星形成銀河との比較による差異を発見することが肝要である。この一般的星形成銀河に対して、アルマ望遠鏡を用いたラージプログラムで得られたダスト連続波の観測データを用い、サイズや多波長スペクトルの解析を行い、これまでに得られているサブミリ波銀河の結果との比較を行った。これまで爆発的星形成銀河で見られていた銀河中心に集中した星形成活動と比較して、一般的星形成銀河はより銀河全体に広がった穏やかな星形成を行っていることが分かった。また、これらの結果について7月にチリのディエゴ・ポルタレス大学を直接訪れ、共同研究者であるManue Aravena氏、Jorge Gonzalez lopez氏などと議論したほか、4つの国際シンポジウム・研究会で結果を発表し、多くの国内・国外の研究者と議論を重ねた。また、すでに結果を論文としてまとめており、今年度の上四半期のうちに提出予定である。 サブミリ波銀河との統計的比較のために行ったアルマ望遠鏡に対する観測提案は、残念ながら昨年度は採択されなかったため、本年度はより改善して再度観測提案を行う予定である。COSMOS領域でのサブミリ波銀河の環境調査は、追加観測が昨年度採択されていたが、観測が行われなかったため本年度も再度観測提案を行う予定である。可視光望遠鏡を用いた銀河周辺ガスの観測についての解析は完了したが、残念ながら目標とするガストレーサーを検出できなかった。この結果については共同研究者について共有済みであり、より感度の高い観測のための提案を暫時提出中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた一般的星形成銀河に対する調査は想定より順調に進んでおり、結果をまとめている状況である。一方で、爆発的星形成銀河そのものについての研究は、アルマの観測時間獲得に至らなかったことや、観測データが天候等の状況によりうまく得られなかったことから若干の遅れを生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は一般的星形成銀河の結果をまとめるとともに、昨季得られなかった観測時間の獲得に向けた観測提案を引き続き行う予定である。また、爆発的星形成銀河のダスト連続光についての高分解能観測から爆発的星形成率銀河の起源を探る予定である。これらの爆発的星形成銀河については共同研究者の提案により今季の観測提案が採択されているので、上四半期のうちに観測が行われると予想される。また、これら一般的星形成銀河と爆発的星形成銀河の比較を博士論文としてまとめる予定である。
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