2023 Fiscal Year Annual Research Report
燐酸塩鉱物3種年代測定によるマグマ過程の解明:ウラン-トリウム放射非平衡の活用
Project/Area Number |
22KJ0851
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
仁木 創太 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | レーザーアブレーション / ICP質量分析法 / ジルコン / モナズ石 / 放射非平衡 / 第四紀 / 年代測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
微量元素組成という客観的な地球化学情報は鉱物の形成過程を解明する上で重要であり、本研究期間最終年度は鉱物試料内部における微量元素濃度の分布を可視化するイメージング分析法の高空間分解能化に取り組んだ。そこで局所試料サンプリング法に用いる微小スポットレーザー装置の実用化と微量元素濃度分析への応用可能性を検討した。レーザーのスポット径を2マイクロメートルまで集束すると、レーザーアブレーションによる試料掘削体積の減少に伴って微量元素濃度の定量性能が低下する。本研究では元素分析に用いるプラズマ質量分析装置の真空インターフェイス部に高感度ドライコーンを採用することで装置内イオン透過効率を高め、分析感度の向上を図った。そして分析元素のバックグラウンド信号強度に依るが、2マイクロメートルの空間分解能で濃度として数ppm程度の微量元素の検出が可能となった。本研究期間に開発した手法は既存の微量元素イメージング分析法である電子プローブマイクロアナライザと比較して10倍以上の分析高速化を図ることができ、また特に重元素に関しては1桁以上高い分析感度を誇る。本手法を微量元素イメージング分析へと応用することで、特にジルコンに含まれるランタノイド元素やウラン、トリウムについてその空間分布を明瞭に可視化することに成功した。 研究期間全体を通じて第四紀鉱物試料の年代測定法と高空間分解能微量元素イメージング分析法を確立した。これらの手法の組み合わせはマグマ溜まり内部における火成鉱物形成過程を解明する上で強力なツールである。本研究期間において地質試料への応用研究に関しては当初の予定よりも進展が遅れているが、今後の研究で火成鉱物形成過程に関する知見を蓄積していくことで、マグマ過程の詳細な理解へとつながることが期待される。
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Research Products
(12 results)