2022 Fiscal Year Annual Research Report
EF-P改変による翻訳導入可能な非天然アミノ酸種の拡充
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22J12409
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金山 大輝 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 試験管内翻訳 / 翻訳伸長因子P / 人工進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、試験管内で翻訳導入可能な非天然アミノ酸種を拡充するため、翻訳伸長因子Pを人工進化することを目標としている。天然の翻訳伸長因子Pは、細菌中でプロリン連続配列の翻訳導入を促進する働きを持つが、再構成試験管内翻訳系においても一部の非天然アミノ酸の翻訳導入を促進あるいは抑制することが知られている。そこで、導入する非天然アミノ酸種に応じて翻訳伸長因子Pを最適化することで、導入可能な非天然アミノ酸種を拡充できると期待される。翻訳伸長因子Pは188残基のアミノ酸から構成されるタンパク質であるが、その中で最も翻訳反応に影響を及ぼすと考えられている、34残基目のアミノ酸に様々な変異を加えることとした。 本年度はまず、天然アミノ酸のみで構成された翻訳伸長因子P変異体をモデルタンパク質として、発現系の構築に取り組んだ。発現系には、非天然アミノ酸を含んだ翻訳伸長因子P変異体ライブラリ構築に有利であると考えられる、大腸菌由来の試験管内翻訳系を採用した。既存の翻訳系では翻訳量が著しく低かったため、質量分析装置で翻訳産物を検出できなかった。そこで、各翻訳因子や核酸の濃度等を最適化することで、十分量の翻訳伸長因子Pを得ることに成功した。発現した翻訳伸長因子Pの濃縮・精製方法や、放射性ラベル化されたアミノ酸を用いた翻訳伸長因子Pの活性評価方法の検討も行った。現在は様々な非天然アミノ酸を含有した翻訳伸長因子Pの翻訳合成を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は翻訳伸長因子P変異体の発現・精製系、非天然アミノ酸の翻訳導入効率評価系の構築に取り組んだ。 現在は様々な非天然アミノ酸を含有した翻訳伸長因子Pの翻訳合成を行っており、研究は概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、非天然アミノ酸を含有した翻訳伸長因子P変異体の翻訳合成が完了し次第、その活性評価を行う。 野生型翻訳伸長因子Pを用いた場合に翻訳導入効率が低下したアミノ酸等を標的とし、様々な翻訳伸長因子P変異体を導入した場合における翻訳導入効率の変化を調べる。
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