2022 Fiscal Year Annual Research Report
外来ネズミ類存在下でのノネコ管理体系の探索:オオミズナギドリの回復を事例に
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22J12636
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
徳吉 美国 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 外来種 / 島嶼 / メソプレデター・リリース / 自動撮影カメラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、資金と情報が限られた状況でも実践可能な、外来ネズミ類の存在下でのノネコ管理体系の確立である。研究対象地はオオミズナギドリの最大規模の繁殖地である御蔵島であり、本島ではノネコの個体数管理(捕獲・譲渡)が行われている。2022年度は、ノネコ・外来ネズミ類・オオミズナギドリの密度や個体群動態の解析のために、自動撮影カメラを林内に設置して撮影データを収集した。ノネコにおいては撮影データから個体識別とSECR(空間明示捕獲再捕獲法)による密度推定を行い、2021年度冬季に行われた個体数管理前後での総個体数・密度の空間勾配を比較した。また、2021年度から継続してオオミズナギドリの繁殖状況やネズミ類の生息状況の調査を行い、ノネコの密度変化に対する応答を検証した。 その結果、島全体では、ネズミ類のCPUE・オオミズナギドリのヒナ生存率の顕著な増加は確認されなかった。局所的には、ノネコの密度が低減した調査サイトほど、ネズミ類のCPUEが増加するものの、オオミズナギドリのヒナ生存率も増加する傾向が確認された。この結果は、さらにノネコを低密度化させても、ネズミ類増加によるオオミズナギドリへの影響悪化(メソプレデター・リリース)は生じず、むしろオオミズナギドリへの影響が緩和される可能性を示している。また、このような捕獲前後で得られた短期間の野外データからノネコ管理の効果を検証するアプローチは、長期的な個体数管理やモニタリングが困難な、外来ネコ問題を抱える多くの地域で適用できる可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
御蔵島における野外調査や、撮影データ等の解析を、おおむね予定通りに行えた。具体的には、自動撮影カメラ等を用いて、御蔵島におけるノネコ・ネズミ・オオミズナギドリの個体数推定や個体群動態の解析に用いるデータを収集した。ノネコについては、撮影データから個体識別を行い、SECRによる密度推定を行なった。そして、ノネコの密度変化に対するオオミズナギドリのヒナ生存率やネズミ類のCPUEの応答を検証した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度も引き続き、自動撮影カメラ等を用いたノネコ・ネズミ類・オオミズナギドリの個体群のモニタリングを行う。また、ノネコに加えてネズミ類とオオミズナギドリの撮影データの解析も行い、自動撮影カメラ以外の調査データも組み合わせて、群集動態をさらに探求していく。
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Research Products
(5 results)