2022 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of a high-resolution three-dimensional imaging method using semiconductor optical phased arrays
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22J12841
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小松 憲人 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | メタサーフェス / コヒーレント受信器 / ナノフォトニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
光フェーズドアレイに関する検討とともに、同様の光波面制御素子として、誘電体メタサーフェスの活用に関する研究を推し進めた。メタサーフェスは2次元平面内の偏波、位相を任意に制御できる垂直入射型素子で、レンズやホログラフィといったイメージング分野を中心に広く研究が行われている。私はメタサーフェスの光通信応用に着目し、コンパクトかつ空間多重化に対してスケーラブルな偏波多重コヒーレント受信器を提案した。従来は複雑な光学系や導波路型光集積回路で構築されていた光波変換をメタサーフェス1枚で実現し、必要なフォトディテクタ(PD)も従来の8個から5個に削減した。さらに、空間光学系の線形性を活用し、PDの数を増やすだけでマルチコアファイバによる空間多重通信に拡張できるという大きな利点を持っている。 本年度は線形代数に基づいた受信感度の理論的な考察から始め、提案する受信器を実現するためのメタサーフェス設計方法を構築した。次に、SOQ(silicon on quartz)基板を用いて微小なシリコン楕円柱からなるメタサーフェスを作製する技術を開発した。電子線リソグラフィによるパターニング方法に加え、複数のエッチング手法の条件を調整し、垂直性、再現性の良い作製手法を確立した。さらに、作製したメタサーフェスを評価するための空間光学系を構築して作製した素子を評価し、設計とほぼ同一の強度、位相、偏波特性を得ることに成功した。 本年度得られた成果は光学分野で代表的な国際学会であるCLEO (Conference on Lasers and Electro-Optics)に投稿し、口頭発表予定。また複数の国内研究会、シンポジウムにて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初は光フェーズドアレイを中心とした研究を実施する予定であったが、同様の波面制御技術であるメタサーフェスを活用する技術には偏波を制御できるなどより広い可能性があり、かつ学術界においても最近非常に盛り上がっている分野であるため、メタサーフェスを研究の柱とすることとした。 1年間でメタサーフェス素子の設計、作製、評価手法を確立し、表面入射型の偏波多重コヒーレント受信器を初めて実証するなど、当初の計画以上に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、高速フォトディテクタアレイを設計、作製し、本年度作製したメタサーフェスと組み合わせることで高速コヒーレント受信器を構築し、大容量伝送の実証を行う予定である。 そして、マルチコアファイバを用いることで空間多重コヒーレント受信器としての動作を確認し、提案手法の空間多重化に対するスケーラビリティを実証する。 さらに、メタサーフェスの持つ自由度を最大限活用し、新たな機能を付与した受信器構成についても検討中である。
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Research Products
(10 results)