2022 Fiscal Year Annual Research Report
Synthesis of nanochitin-coated biodegradable microparticles
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22J12842
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加来 悠人 東京大学, 農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | キチン / キチンナノファイバー / マイクロ粒子 / 吸着剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
天然多糖の一種であるキチンから得られる新規ナノ材料である「キチンナノファイバー」(ChNF)は高い生体適合性や生分解性といった特徴から、化粧品や医薬品としての利用が期待されている。本研究では、ChNFの新たな材料形態を探索するために、表面がChNFで覆われた生分解性マイクロ粒子の調製を行なっている。 海洋で良好に生分解することが知られる酢酸セルロースをコアのマイクロ粒子に使用し、その表面をChNFで被覆する新規手法の開拓に成功した。また、粒子表面にはChNFに由来するアミノ基が存在するため、得られた粒子はカチオン性を示す。そこで、カチオン性を活かした吸着能の評価を行なったところ、本粒子はアニオン性の染料を良好に吸着することが示された。これによって本粒子のドラッグデリバリーや化粧品としての応用展開に向けた基礎的な知見を得た。 以上の結果について、Nanocellulose Days 2022、5th EPNOE International Junior Scientist Meeting、The 26th SANKEN International Symposium、5th Stockholm-Tokyo Workshop 2023、セルロース学会令和4年度年次大会において発表を行なった。また、以上の内容を取りまとめ、論文を執筆、投稿した。論文は、Carbohydrate polymers誌に掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新たな被覆手法の開拓、被覆メカニズムの解明、応用展開に向けたデモンストレーション、論文化までを採用から1年間で達成できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
得られた粒子の生分解性に関する評価はまだ十分に行なうことができていないため、今後は生分解試験に関する基礎的な知見の収集、そして本粒子の生分解性評価に関する研究を進めていきたいと考えている。
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