2023 Fiscal Year Annual Research Report
複数の宇宙機で構成される電波干渉計実現のための信号処理手法の確立
Project/Area Number |
22KJ0951
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 雅大 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 深宇宙ミッション / 複数宇宙機 / 相対航法誘導 / DOA推定 / アレーアンテナ |
Outline of Annual Research Achievements |
複数宇宙機による電波干渉計実現のためには,宇宙機間の相対位置や速度を知る相対航法が重要である.この技術は電波干渉計だけでなく,今後の深宇宙探査で注目される,複数の宇宙機で構成される協調ミッションにとっても重要である.そこで本研究では,電波(ビーコン)を用いた相対航法誘導手法を提案する.提案手法では,ターゲット宇宙機がビーコンを発信し,観測宇宙機がビーコンをアレイアンテナで受信する.その受信情報からビーコンの到来方向,すなわちターゲットの方向を測定する(Direction-Of-Arrival: DOA推定).得られた方向の情報からターゲット宇宙機の相対位置と相対速度,すなわち相対軌道を推定することができる. 本研究においては,上記提案手法の構築および検証を行った.はじめに,DOA推定手法の定式化を行い,既存の推定アルゴリズムおよびアレイアンテナの特性を数値シミュレーションにより比較・整理を行った.次に,宇宙実績のある機器を用いてDOA推定系を構築し,ハードウェア実証を行い,ハードウェア実装に当たっての課題を抽出した.以上を踏まえて,DOA推定手法を宇宙機の航法センサとして用いるために,低リソースかつ高精度なDOA推定系を新たに提案し,数値シミュレーションによる検証を行った.また,オンボード処理可能な簡易な相対航法誘導手法を提案し,数値シミュレーションによる検証を行った.そして,上記を組み合わせて,DOA推定手法を用いた相対航法誘導手法を構築し,ミッション検討による検証を行った.以上の検討により,DOA推定手法を用いた相対航法誘導手法を構築した.
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