2022 Fiscal Year Annual Research Report
Automatic coil design for low magnetic field leakage and high power transfer efficiency in wireless power transfer systems
Project/Area Number |
22J14609
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小渕 大輔 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 無線電力伝送 / 無線給電 / ワイヤレス給電 / 磁界 |
Outline of Annual Research Achievements |
安全で高効率な無線電力伝送を実現するコイルの自動設計に向けて,送受電コイル同士で漏洩磁界を相殺しつつ効率を最大化する2次元電流分布を,メッシュ状導体を用いて解析し,磁気双極子モーメントに基づき電流分布からコイル形状を抽出することが本研究の目的である.本年度の研究では,a)電磁界シミュレーションによる理論の検証,および,b)金属3Dプリンタを用いたコイル実装を実施した. 理論の検証では,提案する漏洩磁界を相殺する理論を電磁界シミュレーションを用いて検証し,最適な電流分布の導出,およびコイル形状の導出に使用できることを確認した.さらに,電磁界シミュレーションの結果に基づき自由空間上において,漏洩磁界相殺可能な送受電器コイル形状と効率最大化可能な送受電器コイル形状を導出した. 金属3Dプリンタによる実装では,導出したコイル形状をプリンタに入力可能なファイルに変換するプログラムを作成し,実際にコイルを実装した.漏洩磁界相殺可能なコイルと効率最大化可能なコイルの2種類を,実装したが,2つのコイルは巻き数とコイルサイズ,コイル線径を同じ条件にしているため,それぞれの性能を比較することで,提案するコイルの漏洩磁界や効率を評価することができる.金属3Dプリンタを用いてコイルを作成する上で,コイルの最低線径やコイル全体のサイズといった,設計上の制約条件があることも明らかになった.そうした制約を踏まえたコイル設計を今後実施する予定であり,適切なアプリケーションについても検討する. また,現在,提案するコイル形状の導出手法について論文を執筆中であり,来年度内に論文誌に投稿する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究では,低漏洩磁界かつ高効率な無線電力伝送用コイルの自動設計のための提案理論の検証と,設計したコイルの金属3Dプリンタによる実装を行った.理論の検証は,電磁界シミュレーションで実施したが,従来のコイルと比較して提案手法によって設計されたコイルは漏洩磁界を20dB程度低減できていることを確認している.さらに,電磁界シミュレータ上でモデリングされたコイルと同一なコイルを金属3Dプリンタに入力可能なCADファイルに変換するプログラムを実装し,実際にコイルを製造することで,設計した通りのコイルを高精度に実装できることを確認している.理論の有効性を電磁界シミュレーションによって示せたこと,設計したコイルの金属3Dプリンタによる実装が可能であることを確認できたことは,本研究の目的である無線電力伝送用コイルの設計・製造の自動化に向けて大きく前進したと言える.そのため,上記を総合して,研究全体としては,順調に進んでいるものと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では,前年度に金属3Dプリンタで作成したコイルの性能評価を行う.さらに,筐体内に送受電器コイルが存在する場合についても想定し,設置される環境に応じたコイル形状の導出が可能であるかどうかと,無線電力伝送に関する性能を評価する予定である. 金属筐体については,実際の製品のcadモデルを用いることで提案手法の実用性を示すことを目標とする. さらに現在執筆中の論文を完成させ,論文誌へ投稿する予定である.
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