2023 Fiscal Year Annual Research Report
低漏洩磁界と高効率給電を両立する無線電力伝送用送受電器コイルの自動設計
Project/Area Number |
22KJ0953
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小渕 大輔 東京大学, 工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 無線電力伝送 / コイル自動設計 / 電磁両立性 / 人体防護 |
Outline of Annual Research Achievements |
安全で高効率な無線電力伝送を実現するコイルの自動設計に向けて,送受電コイル同士で漏洩磁界を相殺しつつ効率を最大化する2次元電流分布を,メッシュ状導体を用いて解析し,磁気双極子モーメントに基づき電流分布からコイル形状を抽出することが本研究の目的である.本年度の研究では,a)金属3Dプリンタを用いて実装したコイルを用いた実験,b)複数のコイル形状の理論的導出,を実施した.実装したコイルを用いた実験では,漏洩磁界相殺可能なコイルと効率最大化可能なコイルの2種類に対して受電電力10Wという条件下で,漏洩磁界と電力伝送効率を評価した.その結果,漏洩磁界相殺可能なコイルは効率最大化可能なコイルと比較して,漏洩磁界については10dB程度低減可能であり,電力伝送効率については効率低下幅が3.3%程度であることを確認した.実験結果を含めた論文を投稿し,採録されている. 複数のコイル形状の理論的導出については,コイル形状を自動設計する際に用いる最適化手法において固有値問題を解くと電流分布に関する複数の解が得られるが,それらの解から,対応する コイル形状をそれぞれ導出できることを確認した.コイル形状の候補を複数提示することにより,アプリケーションに適したコイルを選択することが可能になると考えられる. 研究期間全体を通じて,漏洩磁界を低減可能なコイル形状の自動設計の理論構築,および電磁界解析と実験による評価を実施した.実験では金属3Dプリンタにより実装したコイルを用いて評価を実施しており,金属3Dプリンタをコイル実装に使用できることを確認している.本研究課題に関連する研究成果は合計4本の雑誌論文で発表されている.
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