2023 Fiscal Year Annual Research Report
理論モデルおよび宇宙機の観測データを用いた長周期彗星の形成環境と熱史に関する研究
Project/Area Number |
22KJ0989
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
鈴木 雄大 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 彗星 / 水星 / 希薄大気 / 惑星 / 太陽系 |
Outline of Annual Research Achievements |
長周期彗星の化学進化を明らかにする上で、その大気の物理過程を明らかにする必要がある。しかし、彗星の核および周辺宇宙空間環境のデータが不足しており、その大気の密度分布と表面組成・宇宙空間環境の関係の解明には困難が伴う。そこで本年度は、水星を題材に希薄大気と表層元素組成および宇宙空間環境との関係性を議論した。水星は彗星と大気の性質が類似しており、MESSENGER探査機により表層の元素組成分布や周辺のプラズマ環境が詳細に観測されている。また、日欧共同水星探査計画BepiColomboが現在進行形中であり、観測データが取得されている最中である。 BepiColombo搭載紫外線分光器PHEBUSの水星スイングバイ中のデータを解析するため、本研究ではフランスの研究所に合計4ヶ月間滞在してPHEBUSのPIチームと共同研究を行った。まず、ダーク測定や恒星観測のデータを用いて観測装置の較正を行い、データの1次処理手法を確立した。続いて確立した手法を用いて背景光成分や雑音を除去し、スイングバイ中の水星Mg大気の空間分布を明らかにした。これと共同研究者が開発した水星Mg大気モデルを比較すると、今回の観測と数値計算の結果が非常に整合的であった。ここから、データの1次処理手法が正常に機能していることおよび、MESSENGERによる過去の水星探査時とMg大気の数密度分布が大きく変化していないことを明らかにした。また、MESSENGERでは観測されなかった水星夜側におけるMg大気分布を描き出し、微小隕石の衝突により大気が放出されているという従来の理解が夜面でも成立することが分かった。 BepiColomboは2024年度中に残る3回の水星スイングバイを行い、2025年12月に水星周回軌道に投入予定である。本研究は、今後の本格観測開始に向けた解析手法の確立や観測計画の最適化の面からも重要な成果である。
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[Presentation] Hisaki space telescope observations of the large upper atmospheric oscillations of Mars2023
Author(s)
K. Masunaga, N. Terada, N. Yoshida, Y. Nakamura, T. Kuroda, H. Nakagawa, K. Yoshioka, Y. Suzuki, T. Kimura, F. Tsuchiya, G. Murakami, A. Yamazaki, T. Usui, and I. Yoshikawa.
Organizer
EGU 2023
Int'l Joint Research
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