2022 Fiscal Year Annual Research Report
びまん性胃がん及び周辺組織におけるシングルセルオミクス解析
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22J20462
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坪坂 歩 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 胃癌 / scRNA-seq / 空間遺伝子発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究室及び公開データを組み合わせて、50万細胞を超える胃癌のsingle cell RNA-sequence (scRNA-seq)データベースを構築し、主要な細胞種の同定等の解析を行った。同時に関連施設の胃癌症例の正常・腫瘍ペアのWhole genome sequence (WGS)及びBulkでのtranscriptome sequenceを行った。解析結果に応じてscRNA-seqの実験を追加で施行する予定である。 また、subcellularレベルでの空間遺伝子発現解析をパイロット的に行い、解析に耐えうるデータを得られた。scRNA-seqのクラスターのアノテーションを教師データに用いることにより、scRNA-seqで同定されたクラスターが組織上のどこに存在するのかをマッピングすることに成功した。令和5年度はspatial transcriptomeデータセットも充実させることにより、空間情報まで含めた統合的・包括的な胃癌ゲノム・遺伝子発現データセットの構築を行い、新たな治療標的の探索や癌生物学の重要な遺伝子の発見につなげる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一年目の目標として、(1) scRNA-seqによる解析データの収集及び (2) 前処理及び細胞種の同定を挙げた。 (1)に関しては50万細胞を超えるデータベースの構築に成功している。胃癌に関する文献が発表されるごとにデータベースを更新しているので、今後も更にデータが増えることが見込まれる。また、関連施設のWGSの結果から、当研究室からのscRNA-seqのデータを随時追加していく予定である。 (2)に関しては、先行文献や自身の先行研究を参考に確立したパイプラインを構築しており、データベースが更新されても頑健な解析が行うことができる体制となっている。 さらに、近年subcellular levelの空間遺伝子発現解析が可能となってきており、昨年度に複数サンプルを用いた解析を行い、すでに解析に耐えうる実験結果を得ることに成功している。scRNA-seqと空間遺伝子発現解析の結果を組み合わせることにより、胃癌に関する新たな知見を得られることが大いに期待できる。
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Strategy for Future Research Activity |
scRNA-seqのデータベースの詳細な解析を行う。また、昨年度施行したwhole genome sequence (WGS)と同一症例のscRNA-seqを行い、WGSやscRNA-seqのデータの関連付けなども行う。 さらに空間遺伝子発現解析を行い、scRNA-seqと組み合わせることにより、これまでにscRNA-seq単独では難しかった空間情報を含めた腫瘍微小環境の解析などを行い、より病理組織学的・臨床的に意義のある治療ターゲットの同定や腫瘍の形質転換につながるメカニズムの解明につなげる。
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Research Products
(6 results)