2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22KJ1017
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
西村 方博 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
|
Keywords | カチオン性抗菌ペプチド / ヒスチジンキナーゼ / 二成分制御系 / ABC輸送体 / クライオ電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸菌において安定なヒスチジンキナーゼ/ABC輸送体複合体として発現されることが確認されたBacillus subtilis由来のヒスチジンキナーゼBceSおよびABC輸送体BceABについて、大スケールでの大量発現による精製方法を模索した。前年度の成果から、GFP-Nanobodyレジンを用いた、ヒスチジンキナーゼBceSに付加したGFPタグに対するアフィニティー精製が手法として適していると判断されたものの、大スケールでの精製系においてはBceS/BceAB複合体の安定性が低く、構造解析に十分な量の複合体を得ることはできなかった。今後は引き続き精製手法の最適化を行い、構造解析に十分な量の安定なBceS/BceAB複合体を調製する精製系の確立を目指す。加えて、カチオン性抗菌ペプチド(CAMP)と結合した状態のBceS/BceAB複合体の構造解析を行うために、CAMPの安定な結合条件を検討する。さらに、応答制御因子BceRのリン酸化時のBceSR/BceABモジュールの構造解析を行うために、安定なモジュール形成条件を検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
CAMP検知機構の解明を目的とする本研究において、2年目はCAMP認識時のヒスチジンキナーゼ/ABC輸送体複合体の構造解析および応答制御因子のリン酸化時のTCS/ABC輸送体モジュールの構造解析を行うことを予定していた。しかしながら、大スケールでの精製系におけるBceS/BceAB複合体の性状が想定よりも悪く精製手法の最適化に時間を費やすこととなり、当初予定していた構造解析まで至らなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きコンストラクトの検討や精製の各ステップにおけるバッファー条件の検討・最適化を行い、構造解析に十分な量の安定なヒスチジンキナーゼ/ABC輸送体複合体を調製する精製系の確立を目指す。精製系の確立後はヒスチジンキナーゼ/ABC輸送体複合体の構造解析を行うとともに、CAMP認識時のヒスチジンキナーゼ/ABC輸送体複合体の構造解析および応答制御因子のリン酸化時のTCS/ABC輸送体モジュールの構造解析を行い、TCS/ABC輸送体モジュールによるCAMP認識から応答制御因子のリン酸化までの詳細な分子機構を解明することを目指す。
|
Causes of Carryover |
大スケールでの精製系におけるヒスチジンキナーゼ/ABC輸送体複合体の性状が想定よりも悪く精製手法の最適化に時間を費やすこととなり、カチオン性抗菌ペプチド(CAMP)を使用した構造解析まで至らなかった。そのため、CAMPや精製時に必要な界面活性剤の購入に使用する予定だった金額を次年度に回すこととなった。
|
-
[Journal Article] Class B1 GPCR activation by an intracellular agonist2023
Author(s)
Kazuhiro Kobayashi, Kouki Kawakami, Tsukasa Kusakizako, Atsuhiro Tomita, Michihiro Nishimura, Kazuhiro Sawada, Hiroyuki H. Okamoto, Suzune Hiratsuka, Gaku Nakamura, Riku Kuwabara, Hiroshi Noda, Hiroyasu Muramatsu, Masaru Shimizu, Tomohiko Taguchi, Asuka Inoue, Takeshi Murata & Osamu Nureki
-
Journal Title
Nature
Volume: 618
Pages: 1085-1093
DOI
Peer Reviewed
-
[Presentation] Structural insight into the tRNA-dependent bifunctional mechanism of MprF2023
Author(s)
Michihiro Nishimura, Hisato Hirano, Cameron P. Gill, Christopher N. K. Phan, Yuka Yashiro, Keitaro Yamashita, Kazuhiro Kobayashi, Yoshiaki Kise, Tsukasa Kusakizako, Yuzuru Itoh, Kozo Tomita, Herve Roy, Tomohiro Nishizawa & Osamu Nureki
Organizer
Structure, Function and Dynamics International Conference
Int'l Joint Research