2023 Fiscal Year Research-status Report
二つのT細胞受容体を発現するT細胞が持つ免疫学的意義の解明
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22KJ1021
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井口 聖大 東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | T細胞受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究代表者は昨年度までに、TCRα対立遺伝子の下流に異なるレポーター遺伝子を接続することで、デュアルTCR T細胞の検出を可能にするマウスを作製した。また、このレポーターマウスのTCRα細胞外領域に対立遺伝子で異なるエピトープタグ配列を挿入することで、デュアルTCR T細胞の中には二つのTCRをどちらも細胞表面に発現している細胞-ホロデュアルTCR T細胞-と、一方のTCRのみを細胞表面に発現しもう一方を細胞内に留めている細胞-ヘミデュアルTCR T細胞-が存在することを世界で初めて明らかにした。 今年度は、それぞれのデュアルTCR T細胞の体内動態の解明を目指して研究を行った。ヘミデュアルTCR T細胞をT細胞欠損マウスに移入したところ、一部のT細胞のホロデュアルTCR T細胞への遷移、つまり細胞内に留まっていたTCRが細胞表面へ表出するという現象を捉えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヘミデュアルTCR T細胞の細胞内に存在するTCRが、細胞表面に表出しうることを見出した本年度の研究成果は、一細胞一受容体則を前提とし、細胞表面に検出されるTCRをもとにT細胞の抗原特異性を判断するこれまでのT細胞免疫学に一石を投じる重要なものであると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
常に細胞表面に存在するTCR, 常に細胞内に存在するTCR, 細胞内外を往来するTCRの三者に質的な違いがあるのかを明らかにするとともに、細胞内に存在するTCRの細胞表面への表出を制御する機構を解明する。
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[Journal Article] Extracellular aaRSs drive autoimmune and inflammatory responses in rheumatoid arthritis via the release of cytokines and PAD42023
Author(s)
Kimura A, Takagi T, Thamamongood T, Sakamoto S, Ito T, Seki I, Okamoto M, Aono H, Serada S, Naka T, Imataka H, Miyake K, Ueda T, Miyanokoshi M, Wakasugi K, Iwamoto N, Ohmagari N, Iguchi T, Nitta T, Takayanagi H, Yamashita H, Kaneko H, Tsuchiya H, Fujio K, Handa H, Suzuki H.
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Journal Title
Annals of the Rheumatic Diseases
Volume: 82
Pages: 1153-1161
DOI
Peer Reviewed
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