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2022 Fiscal Year Annual Research Report

破骨細胞亜集団の同定による骨破壊性疾患の制御

Research Project

Project/Area Number 22J20917
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

中村 和貴  東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2022-04-22 – 2025-03-31
Keywords頭頸部扁平上皮癌 / 破骨細胞 / 骨浸潤 / 骨免疫学
Outline of Annual Research Achievements

頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)は世界で6番目に頻度の高い悪性腫瘍であり、年間45万人の命を奪っている。HNSCCは上顎骨や下顎骨などの骨組織に直接浸潤することが大きな特徴であり、骨浸潤は患者の生命予後を顕著に増悪する。ヒト検体を用いた組織学的な解析から、骨浸潤部には破骨細胞が多数存在することが報告されており、破骨細胞がHNSCC骨浸潤における骨破壊の原因細胞と考えられているが、HNSCCに伴う破骨細胞の形成機構や、生理的骨代謝を担う破骨細胞とHNSCC浸潤部に出現する破骨細胞との性状の違いについては未だ不明である。
当該研究者は、マウスHNSCC骨浸潤モデルを確立し、浸潤部組織を用いたシングルセルRNAseq解析をおこなうことで、HNSCCの進展に伴い破骨細胞クラスターが出現することを明らかにした。また、HNSCC浸潤組織で特異的に増加する免疫細胞集団およびストロマ細胞の集団を同定し、これらの細胞が破骨細胞の誘導に関与する可能性を見出した。HNSCCシングルセルRNAseqのデータセットに含まれる破骨細胞の遺伝子発現プロファイルと、生理的条件下で誘導された破骨細胞の遺伝子発現プロファイルを比較することで、前者で高発現する遺伝子のリストを取得した。今後、HNSCC浸潤部における免疫細胞、ストロマ細胞、破骨細胞の3者連関に関し詳細な解析をすすめる予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当該研究者は令和4年度より貴会特別研究員に採用され、骨破壊性疾患の分子メカニズム解明を目指し、精力的に研究に取り組んできた。具体的には、HNSCC骨浸潤モデルを確立し、浸潤部組織を用いたシングルセルRNAseq解析をおこなうことで、顎骨浸潤における破骨細胞、免疫細胞、ストロマ細胞の構成および各細胞集団の遺伝子発現データを取得した。以上のように、申請者は既に新規HNSCCモデルを確立しシングルセルRNAseqデータを取得しており、研究計画はおおむね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

本年度に得られたHNSCC骨浸潤部における破骨細胞、免疫細胞、ストロマ細胞の遺伝子発現データから、HNSCC骨浸潤に対する生体応答に重要な役割を持つことが期待される候補因子を絞り込む。当該因子のノックアウトマウスをCRISPR/Cas9法により作成し、HNSCC骨浸潤モデルと組み合わせることで、候補因子の重要性と機能を検証する。生体レベルで重要性が確認された因子に関しては、ウイルスベクターを用いた発現制御実験、膜タンパクに関しては抗体による機能制御実験をおこなうことで、HNSCC骨浸潤に対する新規治療戦略の確立を目指す。

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Published: 2023-12-25  

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