2023 Fiscal Year Research-status Report
無限次元量子代数を用いた超対称ゲージ理論の双対性および可解性の研究
Project/Area Number |
22KJ1031
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野下 剛 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
|
Keywords | BPS/CFT対応 / qq-character / 量子トロイダル代数 / AGT対応 / Calabi-Yau |
Outline of Annual Research Achievements |
BPS/CFT対応をqq-characterの観点から研究した。特に、Nekrasovによって導入されたゲージ折紙と呼ばれるセットアップに焦点を当てて研究を行なった。その中でもspiked instanton、tetrahedron instanton、magnificent fourと呼ばれるD4,D6,D8から構成される物理系に焦点を当てた。本年度はこのBPS/CFT対応を導く代数の具体的導出を行なった。方針としては複素一次元空間に付随するscreening chargeの構成を行い、各セットアップに対応する最高ウェイトを構成して、可換性を課すことでqq-characterを系統的に導いた。その結果、screening chargeは D2-brane系のゲージ折紙に対応し、affine quiver W-algebraは D4-brane系のゲージ折紙に対応することを確認できた。既存の文献を再現するとともに、これまで議論されていなかった新たな知見を与えることができた。また、tetrahedron instanton の分配関数を再現するD6 qq-characterも構成したが、これはplane partitionで展開されるqq-characterで、今年度の研究にて新しく発見されたものであった。これらの低次元のqq-character間の代数関係式やテンソル積構造を調べることで、これまで未到達だったD8のqq-characterを構成することができた。他にも、量子トロイダル代数的観点からのqq-characterの理解およびBethe/Gauge 対応への応用についても一定の理解を得ることができた。また、toric Calabi-Yau 4-foldへの拡張に関する新たな予想も得ることができた。これらの結果に関しては論文として執筆した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲージ折紙の分配関数を系統的に導くqq-characterを構成することができたことにより、BPS/CFT対応の代数的側面における大きな発展があったため上記のように判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
平坦な空間に関するゲージ折紙については概ね必要な道具はそろったため、それを用いた物理的応用等のさらなる研究を行いたい。またtoric Calabi-Yau 4-foldへの拡張も今後行なっていく予定である。
|
Causes of Carryover |
論文執筆に重点を置いていたのとプライベートな事情によりあまり海外滞在や国際研究会にでることができなかったため次年度使用額が生じた。次年度は海外滞在や国際研究会等に積極的に参加するとともに、海外研究機関に在籍している共同研究者とより密接に共同研究をする予定である。
|