2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a Torsion Pendulum Gravity Gradiometer for Earthquake Early Warning
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22J21087
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大島 由佳 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 地震速報 / 重力勾配計 / 精密測定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、より早い地震速報に向けた重力場変動検出システムの構築である。地震の断層破壊による重力場変動は光速で伝搬するため、地震波を検出する現在の手法に比べて15秒程度早く警報を出すことができる。目的を達成するために、ねじれ振り子型重力勾配計TOBAを開発し 、0.1 Hzにおいて10の-15乗 /√Hzの感度を実現する。この感度は0.1 Hz付近の周波数帯での世界最高感度に相当する。具体的には、角度センサ、低温ねじれ振り子、能動防振系を開発し、雑音を十分に低減してTOBAの設計感度を実現する。当該年度は、重力勾配計TOBAの開発を以下のように行った。 ①結合光共振器を用いた角度センサの原理実証 結合光共振器を用いた角度センサの原理実証実験を行い、共振器長の制御手法の確立に成功した。一方で、主共振器の共振器長変動が補助共振器に伝達してしまい、制御が十分安定でないという課題が残っていた。当該年度は、主共振器を構成する鏡を振り子で懸架するセットアップに変更し、高周波数帯における主共振器の共振器長変動を低減して制御の安定化をはかった。 ②常温下でのねじれ振り子の開発 TOBAの最終的な構成は低温ねじれ振り子であるが、まずは簡略化した構成のねじれ振り子を常温下で運転し、設計の問題点の洗い出しを行う。振り子のねじれ回転を、2本の光共振器の差動変動から読み取る。当該年度は、試験マス・光学ベンチの設計、光共振器のパラメータ設計、光学部品の購入を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度からの課題であった結合光共振器の制御の安定性の課題解決に目処をつけ、常温下でのねじれ振り子の開発に着手することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、結合光共振器を安定な制御状態で運転し、信号強度の定量的な評価を行って原理実証を完了する。また、常温下でのねじれ振り子の設計を完了し、構築を行う。光共振器による角度読み取りを実現して、翌年度に計画している低温での運転に向けて設計の問題点を洗い出す。
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