2023 Fiscal Year Research-status Report
関数データのトレンド推定のためのベイズモデルの開発
Project/Area Number |
22KJ1041
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
若山 智哉 東京大学, 総合文化研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 関数データ解析 / 時系列解析 / 空間統計 / ベイズ統計 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は主に、時空間関数データの予測問題に関しての研究を行った。携帯端末の普及により、大量の人口データが収集されるようになり、その活用へのニーズが高まっている。しかし、このような多次元かつ大規模なデータを扱うには、計算の複雑さや解釈性の低下などの課題がある。それらに対処するために、関数データ解析と因子分析を統合した時空間因子モデルを提案した。主な貢献は以下の2点である。 1. 関数データ解析とベイズ因子モデルを組み合わせることで、大規模な時空間データを効率的に扱えるようにした。ガウス過程でモデル化することで多変量正規分布の大きな共分散行列を効率的に扱うことができる。また、少数の共通因子の時系列のみを考慮することで、計算コストを大幅に削減している。因子負荷行列を通じて空間構造を表現し、時間と空間の両方の依存性を捉えている。 2. 因子負荷行列をコレスキー型行列で識別可能にし、列ベクトルに空間相関と縮小効果を考慮することで、モデルの解釈性を向上させた。これにより、各地区と因子の関係性を詳細かつ明確に表現できる。また、事後予測損失に基づくベイズ縮小法を用いて、因子選択を体系的に行う方法も提案している。 数値実験とデータ解析により、提案手法の予測精度と解釈性を検証した。数値実験では、提案手法が他の方法と比較して高い精度を達成し、都市構造を的確に捉えられることを示した。実データへの適用では、平日と休日の人口動態の違いを正確に予測できることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当時想定していた提案手法は実装することができており、実データへの適用を通し地域特性などを解明できているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はクラスタリング手法などを用いてより柔軟な時系列構造を考える。また、その他の理論的性質も解明する。
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