2022 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring the atomistic mechanism of polymorphism with atomic-resolution TEM
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22J21760
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
榊原 雅也 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 結晶化 / 結晶成長 / 透過電子顕微鏡 / 電子顕微鏡 / 動的挙動観察 / 時間分解能 / ナノ結晶 / 無機化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,結晶成長のメカニズムおよび成長が結晶多形選択性に及ぼす影響の解明を目指して検討を行った.我々の先行研究において,カーボンナノチューブ(CNT)をナノサイズのフラスコとする単分子原子分解能時間分解電子顕微鏡(SMART-EM)イメージング法によって塩化ナトリウム(NaCl)の結晶化を捉えることには成功していたが,結晶成長メカニズムを単分子レベルで議論するには時間分解能が不十分であった.そこで,SMART-EM法と高速撮像カメラおよび画像処理手法を組み合わせることで,NaCl結晶成長過程におけるミリ秒スケールの原子ダイナミクス解明に取り組んだ(M. Sakakibara et al., ACS Cent. Sci. 2022, 8, 1704.).その結果,従来の結晶成長理論では想定されていなかったダイナミックに結晶表面を動き回る“浮き島”状中間体の存在や器壁と振動によって結晶成長が加速される機構が明らかとなった.続いて,ナノフラスコ内に様々な無機化合物を導入してそれらの結晶成長過程をその場観察することにより,結晶サイズの増大に伴う結晶構造の変化を解析した.その結果,サイズ依存構造相転移の原子ダイナミクスを可視化することに成功し,さらに複数の化合物でナノサイズに特有と考えられる新奇構造を発見した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究は,結晶核生成・結晶成長過程における多形選択現象の原理解明を目的としている.初年度である本年度は,まず塩化ナトリウム(NaCl)をモデル化合物としてその結晶成長過程を高速観察することで結晶成長そのものの原子レベルのメカニズムを探求した.これにより,現行の結晶成長理論では記述しきれない動的な“浮き島”中間体を発見した.さらに,結晶成長に伴う多形選択性の変遷を追跡することで,ナノ結晶に特有の新たな多形を見出した.以上のように,現在までに当初の想定を超えた多くの重要な知見が得られており,計画以上に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,本年度に観察されたサイズ依存多形間転移への理解をより深めるために,シミュレーションなど理論的な側面からの検討を進める.また,ナノフラスコへの導入が困難な難溶性・不溶性化合物の多形選択についての知見獲得を志向したサンプル調製法の確立および透過電子顕微鏡観察を計画している.これにより,材料科学やバイオミネラリゼーションの観点から重要な物質群であるセラミックスの多形選択機構解明を目指す.
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Research Products
(5 results)