2023 Fiscal Year Annual Research Report
ボランティアのジレンマにおける公平な結果の実現に関する検討
Project/Area Number |
22KJ1181
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
ターン 有加里ジェシカ 神戸大学, 人文学研究科, 助教
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | ボランティアのジレンマ / 社会的ジレンマ / 公平 / 効率 / 協力 |
Outline of Annual Research Achievements |
ボランティアのジレンマとは、集団内で最低1人がタスクを遂行する場合に限って集団全体が利益を得られるような、社会的ジレンマ状況である。ボランティアのジレンマにおいてタスクを遂行するコストが人によって異なるとき、効率だが不公平なルール(最小のコストでタスクを遂行できる人が、毎回タスクを引き受ける)と、公平だが非効率なルール(最小のコストではタスクを遂行できない人も、ある程度タスクを引き受ける)が存在する。本研究では、どちらのルールが好まれるのか、また、どちらのルールが実現しやすいのかを検討した。2023年度以前に行った研究では、調査や実験を通じて、人々が公平を効率よりも好んでいることを示した。それと同時に、人々が公平を好んでいるのにそれを実現できないことも明らかにした。このように理想と現実が乖離することは人々の不満につながりうるため、乖離の要因や乖離の解消方法を明らかにすることは重要である。そこで2023年度は、ボランティアのジレンマにおける行動パターンが乖離に及ぼす影響を検討した。具体的には、ボランティアのジレンマゲーム(ボランティアのジレンマを経済ゲームにしたもの)における人々の行動パターンを計算論モデリングによって明らかにして、どのような行動パターンが乖離と関連しているのかを検討した。また、2023年度は最終年度であったため、これまでの研究成果を日本心理学会や日本グループ・ダイナミックス学会で発表したり、国際誌に投稿するために論文にまとめたりした。
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