2021 Fiscal Year Annual Research Report
マルチマテリアル積層造形法による3次元物性カスタム化技術の確立と顎義歯への応用
Project/Area Number |
21J40155
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
加嶋 祐佳 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特別研究員(RPD)
|
Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
|
Keywords | 顎義歯 / インクジェット式3Dプリンター |
Outline of Annual Research Achievements |
ストラタシス社のインクジェット式3Dプリンター(D5Dentajet)を用いて顎義歯製作を行うため、複数のデジタルマテリアルを積層造形した。続いて、造形した試料の相対密度と精度分析から、複数のデジタルマテリアルに対する最適な造形パラメーターを決定した。続いて最適パラメーターを用い、顎義歯に特有の人工歯部、栓塞子(オブチュレータ―)、レジン床部の色調や形状、機械的性質を再現した。オブチュレータ―部分は、透明色で軟質性の材料を複数組み合わせて強度の調整を行い、人工歯部では、従来用いられてきたRGD835VeroWhiteに加えてR245、G230、B212色を組み合わせることで歯科特有のA3やA2といった色調を再現することが可能となった。部位に応じて様々な材料の比率を細かくオーダーすることで、各構成要素の境界部も細かくオーダーし、鮮明に同時造形することが可能となった。実際の義歯に則した形態のSTLファイルを製作後、積層造形を行い、審美性に問題ないことを確認した。今後、設計時のデータと最適重ね合わせによる評価で精度検証を行う予定である。続いて異種材料境界部における精査を行った。人工歯部とレジン床部の境界部におけるサーマルサイクル後のせん断試験を行い、材料の接着強度の評価を行った。サーマルサイクルを行ってもインクジェット式3Dプリンターで製作した試料はほとんど劣化しないことが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度は、コロナウイルスの蔓延により東京都では緊急事態宣言が出された期間もあり、他研究機関への出張が行いづらい環境下ではあったが、無事顎義歯の造形を行い、サーマルサイクル試験まで行うことが出来た。
|
Strategy for Future Research Activity |
素となる粉末材料の強度強化を図る予定である。
|