2022 Fiscal Year Annual Research Report
Planning Theory for Fostering Residents' Psychological Capital towards Endogenous Rural Development
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21J22848
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Research Fellow |
新里 早映 東京農工大学, 大学院連合農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 内発的発展 / 地域人材育成 / 地域学校協働 / 探究学習 / 社会教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
農村地域の内発的発展に向けては、住民が主体となって解決すべき課題を設定し、地域内外の主体と協働しながら、自らの生活環境をよりよくしていくための実践を重ねることが重要である。本研究では“住民の地域づくりに対する当事者意識や意欲をいかに高め主体的な行動につなげていくか”という課題に対し、住民の内発性(生活の質向上に向けたアイデアを実現する力量)の醸成に資する環境設計(地域の発展段階に応じた協働体制の構築や中間支援のあり方など)に関する要点を明らかにし計画論として体系化すること目的としている。 令和4年度は、地域と学校の協働による探究学習の推進に着目し、生徒の地域に対する関心や地域づくりの意欲への影響要因を明らかにするため、長野県上伊那地域の「郷土愛プロジェクト」の協力のもと、高校の「総合的な探究の時間」の講師として授業の設計から実施に携わった。その効果を検証するため、毎回の授業における参与観察および生徒と講師を対象としたアンケート調査を行った。その結果、生徒の地域に対する関心の向上に寄与する要素として、生徒の興味に即した活動、楽しさの実感、地域に関する新たな発見を促す授業設計の重要性が明らかとなった。また、運営上の課題として、授業実施前に関係者を集めた事前共有の場を設け、講師と教員が授業の方針をすりあわせて連携体制を整えることの必要性が示された。これらの研究成果は農村計画学会秋期大会の口頭発表にて報告した。また、上記の実装的研究を遂行するに伴い、社会教育の考え方を取り入れることが有効だと考えたことから、社会教育主事講習(地域教育魅力化コーディネーター育成コース併設)を受講し、社会教育に関する知識および地域と学校の協働に関する実践的スキルを習得した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究実施計画では、日本国内の調査に加えて、6月ごろから英国調調査に向けた調査協力の依頼と調査内容のすり合わせを行い、10月に英国で現地調査を実施する予定であった。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響により、日本国内の調査の進捗に遅れが生じていること、また英国のフィールドワーク先との調整等に時間を要していることから英国調査は次年度へ見送りとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
日本国内の調査に関しては、これまでの調査対象事例が長野県上伊那地域における「郷土愛プロジェクト」のみにとどまっており、研究目的である住民の内発性醸成に資する計画論の構築に向けては、人口規模および社会教育のアプローチが異なる事例の分析を通した研究結果の汎用化が求められる。そこで、調査対象地域として、島根県益田市の「ライフキャリア教育」と北海道浦幌町の「うらほろスタイル」を追加し、さらなる調査を進める。英国調査に関しては、新型コロナウイルス感染症の状況を考慮しながら調査対象者との調整を進めていく。
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