2022 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of Nucleic Acid Production System Utilizing Magnetic Nanoparticles
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22J10005
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
須藤 達也 東京農工大学, 大学院生物システム応用科学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 核酸医薬品 / ナノ粒子 / 反応/分離システム |
Outline of Annual Research Achievements |
分子量500以下の「低分子医薬品」と比較して標的特異性が高く、分子量1万以上の「抗体医薬品」と比較して化学合成が容易であることから、分子量が500~5000程度の「中分子医薬品」が注目を集めている。その中でも、「核酸医薬品」はこれまで治療が困難であったウイルス感染症や遺伝子疾患に対して効果の高い治療薬として期待されている。したがって、有用な医薬品候補物となる核酸分子を時間や資源の点から効率的に生産するシステムを構築することが望まれている。そこで申請者は、サイズが数nm程度の「磁性ナノ粒子」の表面で核酸分子を合成することで、磁石によって目的の核酸分子を迅速に回収することが可能な核酸分子反応/分離システムの開発を目指している。 反応溶媒中における磁性ナノ粒子の分散状態は核酸合成の反応収率に大きな影響を与える。したがって、粒子表面の状態を適切に設計することで分散状態を制御することが求められる。そこで、本年度は反応溶媒である疎水性溶媒中においてナノ粒子を均一に分散させるための表面設計手法の構築に取り組んだ。その結果として、表面分子の分子鎖長や分子内の二重結合の存在がナノ粒子の分散性に大きな影響を与えることを解明した。本成果に関連した成果は計2本の英語論文として化学系の学術誌にて発表しており、複数の国内学会にて発表を行った。 また、核酸分子の合成条件の基礎的な検討も実施しており、本課題を進めるうえで必要な基礎的な知見の獲得も果たした。 以上の研究成果は、上述した「核酸分子反応/分離システム」の確立に繋がる重要な知見である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度の研究計画では、「ナノ粒子を均一に分散させる手法の確立」と「核酸分子の合成反応の条件検討」を目標としていた。本年度は、ナノ粒子の分散状態を維持するための表面設計手法の構築と核酸合成反応の基礎的な条件検討を実現したため、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
分散・凝集状態を緻密に制御可能な磁性ナノ粒子を活かして、実際に核酸分子を含む中分子医薬品の合成を実施する。また、合成の各段階における目的物の回収率や純度を測定することで、プロセスの性能も評価する。
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Research Products
(7 results)