2023 Fiscal Year Research-status Report
AAアミロイドーシスの食品衛生学的リスクに関する比較病理学的解析
Project/Area Number |
22KJ1243
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
岩出 進 東京農工大学, 大学院農学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | AAアミロイドーシス / プリオン様伝播 / 獣医病理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず、脾摘によるAAアミロイドーシスのマウスにおける経口伝播効率の影響をみるために、脾摘したC57BL/6Jマウス(n=3)に対して他マウス由来のAAアミロイド(A)または生理食塩水(B)を経口投与し、脾摘していないC57BL/6マウス(n=3)に対して他マウス由来のAAアミロイドを経口投与した(C)。また全マウスに対して炎症刺激として硝酸銀を付与し、AAアミロイドーシスの伝播促進を試みた。結果として、(A)の一匹の脾臓においてのみ、ごく軽度のアミロイド沈着がみられた。同アミロイドは免疫組織化学によりSAAに陽性を示したことから、AAアミロイドと判断した。この結果から、マウスにおける外因性AAの経口伝播効率は低く、脾摘の影響を確認するためにはさらなるモデルの確立が必要であると考えられた。 また、前年度に引き続き、市販の牛レバーを継続して購入した。その結果、追加の牛レバー1点においてアミロイドの沈着がみられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の結果を踏まえて、AAアミロイドーシスの個体間伝播効率、特に経口伝播効率に関する考察を深化させることができたため。また、継続的な牛レバーの調達により、2点目のアミロイドレバーを入手することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究により、AAアミロイドーシスの伝播効率は想定していたほどは高くない可能性が示唆された。また、近交系マウスを用いた解析においても、過去の報告と異なりAAアミロイドーシスの伝播効率が高くないことから、伝播が生じるかどうかを担っている要素として、アミロイドフィブリル側の要因が強く疑われている。プリオン病では、アミノ酸配列が同一であってもタンパク質の折り畳み構造、病原性や生化学的性状に差があるという、「株現象」の存在が知られており、AAアミロイドにおいても同様の機序が推察された。今後の方針として、牛におけるAAアミロイドの沈着分布や代謝経路ないし代謝機序を含めて、牛AAアミロイドの生化学的解析を中心に牛AAアミロイドの病原性・伝播原性について探索する。
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[Presentation] OUTBRAKE OF FIBRINOGEN Aα-CHAIN-DERIVED GLOMERULAR AMYLOIDOSIS IN JAPANESE SQUIRRELS2023
Author(s)
Susumu Iwaide, Nanami Ito, Shiori Ogino, Kaori Kojima, Natsumi Kobayashi, Satoshi Koyama, Shumpei Hisamoto, Hirotaka Kondo, Yoshiyuki Itoh, Miki Hisada, Yuki Hoshino, Daisuke Nakagawa, Yuki Matsubara, Shin-ichi Nakamura, Hiroshi Satoh, Kenichi Watanabe, Motoki Sasaki, Hisashi Shibuya, Tomoaki Murakami
Organizer
2023 ACVP/ASVCP Annual Meeting
Int'l Joint Research
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