2022 Fiscal Year Annual Research Report
大規模グラフ上データのためのサンプリング理論の構築とその応用
Project/Area Number |
22J22176
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
原 惇也 東京農工大学, 大学院工学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | ランダムモデルのためのサンプリング定理 / 多チャネルモデルのためのサンプリング定理 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフ信号は決定的モデル,ランダムモデル,スパースモデルに大別される.従来のグラフ信号のサンプリングでは,それらの特別な場合として,帯域制限モデルが考えられていた.実際に想定されるモデルはこれに限らないため,実応用に現状遠く及ばない.そこで,1)実データに即した様々なグラフ信号モデルに柔軟に適応できるように拡張した一般化グラフサンプリング定理の構築について取り組み,遂行した.具体的には,信号処理分野のトップ論文誌(IEEE Transaction on Signal Processing)にランダムモデルのための一般化サンプリング定理に関する論文が採録された.また,同分野の新興のオープンアクセス論文誌(IEEE Open Journal of Signal Processing)に,ここまでの成果を多チャネルシステムに拡張した論文が採録された.多チャネルサンプリングはスパースモデルを表現するために必要なモデルとなる.上述の成果と前年度までの事前検討と合わせ,表現可能なグラフ信号モデルはほぼ網羅したといえる.当該理論を確立したことにより,実世界に遍在するIoTデータに対して効率的に解析可能するための基盤が整備できた.今後は,2)当該理論のセンサネットワーク,スマートグリッド,グラフニューラルネットワークへの応用に取り組む.具体的には,上記のようなモデルベースのサンプリングおよび復元を凸最適化問題として定式化し,グラフニューラルネットワークと合成し実データからグラフ信号モデルを学習する.そして,データ駆動型とモデルベースの両者の利点(実データへの適応可能性とグラフ信号のドメイン知識)を活用したend-to-endのサンプリングパラダイムを構築する.そして,センサネットワークやスマートグリッドに応用し,当該理論の有効性を検証する.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究成果として,信号処理分野のトップ論文誌(IEEE Transaction on Signal Processing)にランダムモデルのための一般化サンプリング定理に関する論文が採録された.また,同分野の新興のオープンアクセス論文誌(IEEE Open Journal of Signal Processing)に,ここまでの成果を多チャネルシステムに拡張した論文が採録された.前年度までの事前検討と合わせ,表現可能なグラフ信号モデルはほぼ網羅したため,現在の進捗は計画どおりに進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,圧縮センシングの文脈で検討されている高速なサンプリング手法をグラフ上の信号へ拡張し,数千万頂点以上のグラフで動作可能なサンプリング手法を考案する.次に,サンプリングおよび復元を凸最適化問題として定式化し,グラフニューラルネットワークと合成することで,実データからハイパーパラメータを学習する.そして,データ駆動型とモデルベースの両者の利点(実データへの適応可能性とグラフ信号のドメイン知識)を活用したend-to-endのサンプリングパラダイムを構築する.そして,センサネットワークやスマートグリッドに応用し,当該理論の有効性を検証する.本研究に関して助言を仰ぐため,当該分野の第一人者であるYonina Eldar教授が在籍するワイツマン科学研究所(イスラエル)で,Eldar教授と共同研究を行う.
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Research Products
(6 results)