2023 Fiscal Year Annual Research Report
最先端プラズマが切り拓く半導体-金属錯体ハイブリッド人工光合成系の高機能化
Project/Area Number |
22KJ1266
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
榊原 教貴 東京工業大学, 理学院, 特任助教
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | ハイブリッド光触媒 / プラズマ / 有機半導体 / 超分子光触媒 / CO2還元 |
Outline of Annual Research Achievements |
カーボンニュートラルな社会の実現に向けて、光触媒によるCO2還元は大変有望な技術として大きく注目されている。本研究では、植物の二段階光励起機構に倣い半導体と超分子光触媒を融合した、可視光応答CO2還元を駆動するハイブリッド光触媒のさらなる高性能化を目指した。本研究課題では、これまでにほとんど試みられてこなかった半導体と超分子光触媒の接合界面の改質に着目し、低ダメージかつ高密度な表面改質で実績のある液中プラズマ技術を活用することで、界面状態の制御によるハイブリッド光触媒の高性能化を試みた。 昨年度までに、グラファイト状窒化炭素(C3N4)にRuRu超分子光触媒を固定化したハイブリッド光触媒において、C3N4へのプラズマ表面改質によりC3N4表面に深い欠陥準位を形成し、そこへ光励起電子を蓄積しRuRuへの電子移動を促進することで、CO2還元反応の耐久性と生成物選択率の大幅な向上を達成してきた。 本年度は、昨年度までに確立してきたプラズマ表面改質による界面制御技術の一般化を目指した。近年新たな光触媒材料として注目を集めている共役系高分子に対してプラズマ表面改質を施し、共役系高分子と超分子光触媒からなるハイブリッド光触媒の性能に与える影響を検討した。その結果、C3N4の場合と同様に、プラズマ表面改質によって共役系高分子表面に光励起キャリアが蓄積可能な欠陥が生成し、超分子光触媒への電子移動の促進することで、CO2還元反応の耐久性と生成物選択率が向上した。すなわち、プラズマ表面改質が広く有機半導体に対して有効であることが示され、光触媒設計における新たな方法論としての一般性が見い出された。
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Research Products
(8 results)