2022 Fiscal Year Annual Research Report
集合力トポロジー制御を基軸としたシンプルなタンパク質集合構造設計
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22J13116
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
菊池 幸祐 東京工業大学, 生命理工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | タンパク質集合体 / HS-AFM / タンパク質分子針 / 動的挙動 / 一分子観察 / セルロースナノ結晶 / 構造色 / 超分子化学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではタンパク質分子針PNの異方性に着目し、両端が非対称な分子針を設計した。サイズ排除クロマトグラフィーや質量分析、動的光散乱法の各種同定により設計タンパク質の合成を確認し、高速原子間力顕微鏡観察を用いた二次元集合パターンの観察をおこなった。さらに画像解析をおこない、タンパク質どうしの相対位置を定量解析した。その結果、マイカ基板上特異的な四量体ユニットの形成を確認し、分子針頭部と尾部での直交的な相互作用を介してネットワーク状に集合パターンが広がる様子を確認した。これにより、タンパク質のトポロジーを考慮したシンプルな設計による集合体設計が実現可能であることを示した。 さらに、年度後半には英国ケンブリッジ大学への三カ月間の留学を実施し、セルロースナノ結晶とタンパク質の複合化による構造色材料設計を新たにおこなった。限られた留学期間のなかではまずセルロースナノ結晶単体でのフィルム作成技術や物性測定について習得した。次にタンパク質との複合化を試し、構造色や機械特性への影響を調べた。帰国後も国際共同研究として実験を継続しており、より多様なタンパク質の内包に向けて実験系の確立を推進した。さらに、国内の異分野研究者との共同研究も複数立ち上げ、これまで考えてこられなかったタンパク質の応用方法の提唱に向けて確実な進捗を生み出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
下記に示す2点について、計画より早く知見を得ることができたため。 (1)タンパク質分子針の非対称設計により、二種類の相互作用を使い分けて二次元集合体を作成・観察しその形成原理を究明することができた。 (2)集合力トポロジーの原理を拡張し、タンパク質とセルロースナノ結晶との複合化実験を開始して実験を推進できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
タンパク質の集合力トポロジー設計により、セルロースナノ結晶との複合化材料の物性制御を目指す。
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