2023 Fiscal Year Annual Research Report
二次計画問題の狭小な半正定値緩和に基づく多項式最適化の大域的解法の展開
Project/Area Number |
22KJ1307
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
東 悟大 青山学院大学, 理工学部, 助教
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 数理最適化 / 多項式最適化 / 大域的最適解 / ランク1行列補完問題 / 二乗和緩和問題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は多項式最適化問題の正確な最適解を計算できる条件の解析を通じて、多項式最適化問題の計算方法の構築を目指している。本年度は研究計画に従い、前年から引き続きランク1行列補完問題への数理的解析を進め、得られた結果を元にした計算機実験を実施した。 ランク1行列補完問題は多項式最適化問題に属する問題クラスであり、通常の緩和でよく使われる半正定値計画問題を活用しても正確に解けないことが知られている。既存研究は自由に設定できる目的関数を単位行列によって定めることで、二乗和緩和問題から正確な解(大域的最適解)を復元できることを報告している。報告者はこの目的関数の選択に余地や計算効率性の違いがあると考え、大域的最適解の復元可能性を維持できる目的関数の選択の範囲の解析を行った。本研究によって得られた成果は大きく3つに分けられる。一つは、二乗和緩和問題によってランク1行列補完問題の大域的最適解を復元できる目的関数の条件の一つを明らかにしたことである。この事実は、目的関数を表現する行列の特殊な疎性構造と、双対問題における解の退化次数が1になる条件を組み合わせることによって導かれる。第二に、前述の条件を満たす目的関数を発見するための発見的なアルゴリズムを導いたことである。このアルゴリズムでは、二乗和緩和問題を部分的に解くことによって目的関数を構成する。第三の成果として、提案した復元可能条件と目的関数を導くためのアルゴリズムの性能を評価するため、ランダムに生成した補完問題に対して計算機実験を行った。以上の研究成果について、学術論文を執筆し、投稿中である。
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Research Products
(5 results)