2022 Fiscal Year Annual Research Report
国際コンテナネットワークにおける近接港湾の協力関係構築の影響分析
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22J14074
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Research Fellow |
田川 帆師 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 港湾協力 / 近接港湾 / ネットワーク分析 / シミュレーションモデル / 荷主 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 日本発着貨物ネットワークにおける港湾協力の影響評価:本年度は、日本発着貨物をグラフ形式で表現し、複雑ネットワークを用いた分析を行った。特に、神戸、大阪、釜山港の中心性を比較することで、協力関係を構築した阪神港と釜山港との貨物ネットワーク内での重要性という観点で貨物獲得競争を定量的に評価した。その結果、協力関係の構築が阪神港の競争力強化に貢献するが、現在の協力関係では釜山港に勝る競争力を獲得できていないということが明らかになった。また、リンク予測を行うことで港湾協力の構築によって今後接続が予測される港湾の差が明らかになった。次年度は、船社の構築する輸送ネットワークへの港湾協力が与える影響を分析する。
(2) 近接港湾の協力関係における荷主の港湾選択への影響:近接港湾の協力関係構築が荷主の港湾選択に与える影響を分析するため、線形都市内の港湾と荷主の相互関係を考慮したモデルを構築し、シミュレーションを行った。共通のニーズの充足あるいは共通の脅威への対抗という異なる協力関係構築の動機において、陸上輸送コスト、港湾競争力、港湾の民営化、協力関係構築によるコスト削減率の違いによる影響を分析した。その結果、民営港湾において協力関係構築の動機によって適切な協力関係に大きな差があることが明らかになった。次年度は、モデルをさらに発展させることで神戸、大阪、釜山港でのシミュレーションを行うことを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定していたネットワーク分析とモデルの開発が完了した。しかし、予定していたシンガポール港への現地視察が延期されたため、研究期間を延長することにした。研究期間は延長したものの、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに述べたように、追加分析を含め、研究は順調に進展している。最終年度は現地調査、追加分析、政策提言を実施する。
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