2023 Fiscal Year Annual Research Report
国際コンテナネットワークにおける近接港湾の協力関係構築の影響分析
Project/Area Number |
22KJ1311
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田川 帆師 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 港湾協力 / 近接港湾 / ネットワーク分析 / シミュレーションモデル / 荷主 / 船会社 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 近接港湾の協力関係における荷主の港湾選択への影響:近接港湾の協力関係構築が荷主の港湾選択に与える影響を分析するため、港湾と荷主の相互関係を考慮したモデルを開発した。前年度に構築したモデルに利用者均衡の要素を追加することでより現実を再現したモデルになった。構築したモデルを神戸、大阪、釜山港における日本発着の東南アジア地域と北米地域の貨物に適応した。結果として、協力関係構築の動機および対象地域によって適切な協力関係が異なることが明らかになった。また、阪神港が釜山港に勝る港湾競争力の獲得には、港湾への輸送コストを削減することが最も効果的であることが明らかになった。
(2) 近接港湾の協力関係における船会社の航路設計への影響:近接港湾の協力関係構築が船会社の航路設計に与える影響を分析するため、ネットワーク計画法を用いた定期船航路設計モデルの開発を行った。定期船航路設計モデルは、港湾間の貨物輸送需要、各港湾の使用料等を入力値として、定期航路の寄港港湾、配船する船型、船速、貨物フローを出力する。このモデルによって、201港湾、9688の貨物輸送需要におけるコンテナ定期船の航路設計が可能になった。シミュレーションの結果、神戸港と大阪港の協力関係によってコンテナ定期船のネットワークが変化すること、両港の協力関係は競争力の強化につながるが強力な競争相手である釜山港に勝る競争力を得ることは難しいことが明らかになった。
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