2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22J15251
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
矢口 寛 東京工業大学, 理学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 酸化物イオン伝導体 / 金属酸塩化物 / 新材料 / 結晶構造解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
酸化物イオン伝導体は、固体酸化物形燃料電池等に応用可能な材料である。現在使用されている固体酸化物形燃料電池の問題点として、作動温度が高く、長期にわたって使用できない、作成コストが高いなどの問題点が存在する。従って低温でより高い酸化物イオン伝導度を示す材料が必要である。 金属酸塩化物はアニオンとして酸化物イオンと塩化物イオンを含む物質である。塩化物イオンは酸化物イオンより大きいため、金属酸化物より格子が大きくなり、高い酸化物イオン伝導度が期待される。 本年度は、低温で従来の材料を超える酸化物イオン伝導度を示す新材料の金属酸塩化物を発見した。この酸化物イオン伝導体は幅広い酸素分圧範囲で極めて高い化学的・電気的安定性を示し、加湿雰囲気とCO2中で高い化学的安定性を示すことを見出した。酸化物イオン伝導度が高い高温での結晶構造と酸化物イオンの拡散経路を解明した。さらに、理論計算からこの新材料の酸化物イオン伝導メカニズムを明らかにした。その結果、酸化物イオンは格子間酸素席と格子酸素席を介して二次元的に準格子間機構により拡散するため高いイオン伝導度を示すことが分かった。 また、新規金属酸塩化物の探索も行い、二種類の新構造を有する金属酸塩化物を発見した。合成した材料は単結晶X線回折測定から結晶構造を明らかにした。さらにそのうちの一つは高温で相転移するため高温単結晶X線回折測定や高温中性子回折測定から高温相の結晶構造も明らかにした。この新規金属酸塩化物は電気化学的な手法を用いてイオン伝導体であることを見出し、高温でのイオンの拡散経路の解明なども行った。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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