2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Deep-IRT for educational big data analysis
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22J15279
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
堤 瑛美子 電気通信大学, 情報理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | アダプティブラーニング / 深層学習 / 項目反応理論 / 教育ビッグデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,機械学習を用いて教育ビッグデータを解析することにより,学習者の習熟度の推定や課題への反応(正答・誤答)予測を行い,得意分野・苦手分野を把握することを目的としている.先行研究では確率モデルや深層学習を用いた反応予測手法が提案されている.しかし,確率モデルはパラメータの解釈可能性が非常に高い反面,学習者の高精度な習熟度推定が難しく,深層学習手法は高い反応予測精度を示す反面,教育的な意味でのパラメータ解釈性が低い問題がある.この問題を解決するために,申請者は,確率モデルおよび深層学習手法の手法の長所を融合し,パラメータの教育的解釈性をもち,高精度は反応予測を行うDeep-IRTを提案してきた.しかし,現在の習熟度推定法では推定値が安定せず,実際の学習者の反応と矛盾する問題があった.そこで,本研究では,学習過程での学習者の習熟度変化を考慮しないDeep-IRT手法にベイジアン・ディープラーニングを組み込み,パラメータを確率分布として推定することで習熟度推定精度が向上することを示した.また,実データにおいて学習者の反応予測精度が向上することを示した.本研究は2023年度人工知能学会全国大会で発表予定であり,国際ジャーナル投稿のために論文執筆中である.一方で,学習過程での学習者の習熟度変化を考慮したDeep-IRT手法については,ベイジアン・ディープラーニングを組み込んだことによる精度向上は見られなかった.そこで,Deep-IRTにおいて,学習者の習熟度変化を表す潜在変数の更新時に,学習者の過去の能力変化の情報が考慮されていないことに注目し,Hypernetwokを用いて潜在変数の更新を行う新たなDeep-IRTを開発した.本研究は国際会議Educational Dada Miningと電子情報通信学会論文誌に採録され,現在,国際ジャーナルIEEEに投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度で提案した新たなDeep-IRT手法は,それぞれ学習者の習熟度変化を考慮する場合と,しない場合に適応しており,高精度な習熟度推定と反応予測を行うことを示している.これは本研究の目標の一つであり,研究は概ね順調に進展しているといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的は,Deep-IRT手法を適応的学習支援システムに搭載し,学習者が課題に誤答した際に学習効率の最も高くなるようにヒント提示などの支援を行うことである.従って2023年度は,2022年度に開発したDeep-IRT手法を学習システムに応用し,被験者実験を行う.事前テストと事後テストの差異などからDeep-IRTによる学習支援の効果を検証する.
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