2023 Fiscal Year Annual Research Report
教育ビックデータ解析のためのDeep-IRTの開発と学習支援システムへの応用
Project/Area Number |
22KJ1368
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
堤 瑛美子 東京大学, 大学院情報理工学系研究科, 特任助教
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Keywords | 教育ビッグデータ解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,学習支援システム分野や人工知能分野では機械学習を用いて教育ビッグデータを分析することにより学習者の特性や成長に合わせて適切な問題提供,学習支援を行うアダプティブラーニングが注目されている.具体的には,学習履歴データから学習過程における学習者の習熟度の変化と未知の課題への反応(正答・誤答)を予測することで得意分野・苦手分野を把握し,個人に適切な学習支援を行う. 申請者はこれまでパラメータの教育的解釈性をもち,教育ビッグデータ解析に適応する新たな手法Deep-IRTを開発してきた.Deep-IRTは学習過程で時系列変化する学習者の複数のスキルに対する習熟度を推定し,未知の課題への反応予測を高精度に行うことで,学習者の得意分野と苦手分野をより正確に把握できる.反応予測精度の比較実験においてDeep-IRTは深層学習を用いた最新手法の精度を上回ることを示している.しかし,既存の習熟度推定法では推定値が安定せず,実際の学習者の反応と矛盾するという問題があり,依然として教育的解釈が可能なパラメータ推定には課題があった. 本研究ではDeep-IRTに畳み込みニューラルネットワークを組み込み,過去の学習者の習熟度変化の傾向を考慮しながら習熟度推定することで推定値を安定させ,解釈性の向上をさせた.教育的解釈性の高いパラメータ推定を行うことで,学習者の苦手・得意分野や教材の適正の難易度を学習者や教師へフィードバックでき,学習効率を最大化するアダプティブラーニングを実現できると考えられる.本研究結果は電子情報通信学会論文誌Dに採録され,教育工学分野のトップカンファレンスであるAIEDに採録された.
|