2022 Fiscal Year Annual Research Report
断熱的量子磁束回路を用いた超低消費電力機械学習システムの実現
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22J15242
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
田中 智之 横浜国立大学, 大学院理工学府, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 断熱量子磁束パラメトロン |
Outline of Annual Research Achievements |
断熱量子磁束パラメトロン(AQFP)回路をハードウェア記述言語で書かれた抽象度の高い状態から、物理的なゲートの配置とゲート間の配線を決定するシステムを構築した。本手法を用いることで、最大で1024-bitの加算器の合成に成功し、この回路は200万個のジョセフソン接合を持つ。先行研究と比較して10倍以上大きな回路の合成に成功した。計算に必要なメモリーの量と計算時間が取り扱える回路の大きさを制限しているため、さらに大きな回路の合成にはアルゴリズムの改良が必要と考えられる。 また、実際の回路設計として機械学習の計算に必要な消費電力を削減するためのアクセラレーターとして、AQFP回路を使った16-bit 浮動小数点加算器のレイアウト設計を行った。その結果、回路の1辺が20 mm 以上になり、現在の超伝導デバイスのチップの面積に収まらないということが分かった。AQFP回路は消費エネルギーを低く抑えるために、外部から交流電流を与えている。この電源が、内部の論理ゲートのクロックを兼ねているため、論理ゲートを配置できる位置は制限される。加えて、演算のタイミングを維持するための計算に寄与しないメモリーが多数必要であり、これらの原因により、回路の形状が細長くなってしまう。フィードバックを持たない大規模な回路を面積の効率よく設計するためには、新たなの回路の駆動方式や内部配線の方法の提案が必要であることがわかった。 作成したレイアウトからシミュレーションによって性能を最新のCMOS回路と評価したところ、超伝導状態を維持するために必要な消費エネルギーを加味して、3倍高速かつ、90分の1の消費エネルギーで計算できるという結果が得られた。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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