2023 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
22KJ1409
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
西原 慧 横浜国立大学, 大学院工学研究院(学府), 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 最適化 / 進化計算 / パラメータ適応 / 差分進化 / 機械学習 / サロゲート進化計算 / 代理モデル進化計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、進化計算の性能改善に適応技術と機械学習を用いるという点で当初の計画を実行した上で、さらに、目的関数を機械学習で代理するサロゲート進化計算と適応進化計算を適切に使い分ける基準を明らかにした。これにより、解評価の許容回数などのユースケースに応じた最適化技術を提案し、最適化技術の効率と性能を大きく改善した。 実社会には、1回の解評価に数時間かかる高コストな最適化問題が多く存在する一方で、解評価に数秒程度かかる中コストな最適化問題も広く存在する。高コストな最適化問題では、解評価回数が千回以下に制限され、前述のサロゲートで解評価を代理しながら最適化する、サロゲート進化計算が主流である。一方で、中コストな最適化問題では、解評価回数は数千回まで許容される。この状況下では、局所探索性能が強いサロゲート進化計算は初期収束を起こし、探索が停滞することをまず明らかにした。一方で、通常の進化計算は、十分な最適化を行うために通例数十万回の解評価回数を要する。そこで、サロゲート進化計算を模倣するように進化計算のパラメータ設定を適応する、新しい適応進化計算を提案した。本手法は、中コストな最適化問題で従来のサロゲート進化計算より千倍以上高速に動作し、高い性能を導出する、自動調整可能な使い勝手の良いアルゴリズムである。 他方、多目的進化計算を用いてサロゲートの自動設計(適応)するという、柔軟な発想でサロゲート進化計算の性能を向上した。具体的には、サロゲート適応の代表的指針である近似誤差最小化に加えて、サロゲートの複雑性も同時に多目的進化計算で最小化することにより、精緻なサロゲートから滑らかで最適化問題を易化するサロゲートまでを複数取得可能な方法を開発した。この新しいサロゲートの設計指針により、サロゲート進化計算のロバスト性と使い勝手を向上し、多くの問題に適応可能なサロゲート進化計算を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
まず、サロゲートの近似誤差最小化と複雑性最小化を多目的進化計算で行う形でサロゲートを適応するサロゲート進化計算を国内会議で提案し、高コストな最適化問題においてロバストに高い性能を導出する最適化技術を構築した。 一方で、雑誌論文に採択された研究では、サロゲート進化計算は中コストな最適化問題では初期収束を起こすため、これに適用することが好ましくないことを示した。そして、サロゲート進化計算のようにサンプル効率の良い方法でパラメータ適応をする適応進化計算を提案し、中コストな最適化問題での性能と実行時間を大幅に改善した。これにより、適応進化計算とサロゲート進化計算の使い分けの基準を明らかにした。 以上より、本年度の計画であった、解評価のコストが高い最適化問題で有効に働く適応進化計算の構築が完成しただけでなく、これをいつ使うべきかまでを明らかにしたことから、当初の計画以上に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
中~高コストな最適化問題において、パラメータや構成要素の適応を以て性能向上をする最適化技術を提案した。次年度は、実問題に多く見られる、制約付き高(中)コスト最適化問題に本手法を拡張する。また、これまではベンチマーク問題において性能を検証していたが、実際に1回の解評価に数十秒から数時間かかるシミュレーションを伴う実問題に提案手法を適用し、その性能を検証し、適切な改良を施していく。
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