2021 Fiscal Year Annual Research Report
メタトランスクリプトーム解析による原因不明疾患関連ウイルスの網羅的探索と解明
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21J21542
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
熊田 隆一 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | バイローム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、1. 炎症性疾患の一因となるウイルスの網羅的同定、および、2. 感染症疑い、だが、未鑑別の臨床検体の原因ウイルスの網羅的探索を主眼として行う。上記を達成するためにまず研究計画の前半で次世代配列データからウイルスを探索するパイプラインの構築・改良を行う。新規に構築したパイプラインを用いて公共データベースである、GTEx、および、dbGapのデータを解析し、健常人、および、疾患関連検体におけるウイルス叢を網羅的に同定する。 本研究では、ヒト体内に存在するウイルスの網羅的検出を行う解析パイプラインを用いて、次世代シーケンサーのデータを解析することで、ヒトの疾患に関連したウイルスや健常人に存在するウイルスを網羅的に同定する。さらに解析を進めることで、ウイルスがヒトに与える影響や、ウイルス間相互作用を調べる。本研究を行うことで、ウイルスとヒトとの新規の関連がより詳細に理解され、生態学的にも、臨床的にも重要な知見が明らかになることが期待される。 本年度は主に解析パイプラインの構築・改良を行う予定であった。そこで、申請者が現在までに構築しているバイローム解析パイプラインに、新たに、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)ゲノムを含むウイルスゲノム配列、細菌ゲノム配列、ファージと内在性レトロウイルスのリファレンス配列をリファレンスとして追加し、アップデートを行った。次世代シーケンスデータが登録されている公共データベース(SRA)に含まれているデータから、ヒトに関連するものを中心に解析した結果、ヒト胎盤とウイルス感染の関連が新たに見出された。 次年度は以上の結果から引き続き、解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、解析パイプラインのアップデートを行い、公共データベースのヒトシーケンスデータを解析した結果、ヒト胎盤とウイルス感染の関係性が新たに示唆されてており、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、ヒト胎盤とウイルス感染の関連性を引き続き探索し、他のヒトの疾患検体・生理現象に関連した新たな公共データの解析にも着手する予定である。
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[Journal Article] Antithetic effect of interferon-α on cell-free and cell-to-cell HIV-1 infection2022
Author(s)
Ryuichi Kumata, Shoya Iwanami, Katrina B. Mar, Yusuke Kakizoe, Naoko Misawa, Shinji Nakaoka, Yoshio Koyanagi, Alan S. Perelson, John W. Schoggins, Shingo Iwami, Kei Sato
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Journal Title
PLoS Computational Biology
Volume: -
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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