2023 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of active species on photocatalytic methane conversion using operando spectroscopy and microscopy
Project/Area Number |
22KJ1427
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Institute for Molecular Science |
Principal Investigator |
佐藤 宏祐 分子科学研究所, 物質分子科学研究領域, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 光触媒 / オペランド分光計測 / オペランド顕微計測 / 活性正孔 / 金属助触媒 / メタン / 反応選択性 |
Outline of Annual Research Achievements |
光触媒メタン転換における完全酸化反応と部分酸化反応の選択性創発メカニズムを解明するため,オペランド計測に立脚した以下の研究を実施した。 まず,触媒表面の水分子(界面水)が存在する状態と,存在しない状態を比較したところ,界面水が存在する場合にメタン転換の光触媒活性が数十倍増大することが確認された。この活性増大メカニズムを微視的に明らかにするため,オペランド赤外分光や分子動力学シミュレーションを実施したところ,界面水に捕捉された正孔種による水素引き抜き反応がメタン転換反応における最初の重要なステップであり,水分子を介さないメタンの酸化反応経路は水分子を介した反応経路と比較して,極めて不利であることが明らかとなった。このように,界面水に捕捉された正孔種が,効率的なメタン転換を担う酸化活性種であることが見出された。 次に,元素種の異なる金属微粒子を助触媒として担持した光触媒の反応活性を比較したところ,完全酸化反応(二酸化炭素生成)と部分酸化反応(エタン生成)に対して,異なる選択性を示すことが確認された。この選択性創発のメカニズムを明らかにするために,オペランド赤外分光を実施した。その結果,反応進行中に金属助触媒そのものが正孔によって酸化されており,この助触媒の酸化の程度が反応活性と良く対応していることが明らかになった。従来,金属助触媒は電子を捕捉する還元反応場であると一般的には考えられてきたが,本研究により酸化反応場としても機能するという金属助触媒の新たな役割が見出された。 上記の知見をさらに深めるために,金属助触媒を担持した光触媒試料の仕事関数分布をケルビンプローブフォース顕微鏡(KPFM)測定により観測した。その結果,上記の描像が局所測定においても裏付けられた。本研究課題終了後も,引き続きKPFM測定の結果を蓄積することで,より高活性な助触媒の設計指針を提案していきたいと考えている。
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Research Products
(6 results)