2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a novel dyeing wastewater treatment system based on elucidation of symbiotic relationships between anaerobic microorganisms
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22J15518
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
NGUYEN THU HUONG 長岡技術科学大学, 工学(系), 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 染色排水 / 微生物間共生関係 / 嫌気性排水処理システム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、微生物共生関係と染料脱色プロセスの解明を基点とし、新規バイオ担体を活用した染色廃水処理技術を開発することである。本研究は、(1)染料分解における酸化鉄(Fe3O4)の影響を微生物間共生関係を形成することで解明し、(2) Fe3O4を活用した新規バイオ担体を開発しリアクターへを運用するステップで実施する。また第2段階で、(2.1)新規バイオ担体の作製と耐久性試験、(2.2)バイオ担体の挙動と処理性能の評価、及びバイオ担体上の微生物の共生関係について調査し、(2.3)最終的にUASBリアクターへのバイオ担体の適用を試みる。 本年度は、上記段階における(1)及び (2.1)を実施した。申請者はまず導電性物質であるFe3O4をバッチリアクターに添加することでアゾ染色排水の処理速度の向上に成功し、処理性能及び最適な添加濃度(10g-L-1)を決定した。その後、その実験成果を嫌気性バッフルリアクターへ適用し、170日間連続運転を行い染色排水処理性能を評価した。Fe3O4を添加することで、CODと色度の除去性能はそれぞれ42%と45%から89%と75%へと顕著に向上した。また、メタン、総溶解鉄、微生物群集構造解析の分析結果から、Fe3O4を添加することで、クロストリジウムとメタン菌が優先化及び共生関係を構築し、その染色排水の分解経路にいて重要な役割を担っていることを示唆した。さらに、微生物の共生関係を形成する触媒Fe3O4と、材料の多孔性を高めるデンプンを組み合わせ、新規のバイオ担体の開発に着手した。Fe3O4とデンプンの濃度を調節し、直径3~4mmのゲルビーズを作製した。成分濃度を変えた染色排水処理性能を評価した。その結果、酸化鉄5%とデンプン0.5%を混合したPVA-ゲルビーズが最適であることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究により、微生物が行う染色排水処理メカニズムの解明と、その微生物を高度に保持する新規バイオ担体の開発まで進めることができた。具体的には、クロストリジウムとメタン菌がシステム内で優先化し、微生物間共生関係を構築することでその染色排水の分解経路にいて重要な役割を担っていること明らかにした。さらにその結果はバッチリアクター及び嫌気性バッフルドリアクターにおいてもその反応を確認することができ、Fe3O4とデンプンを混合させた新規バイオ担体の開発を今年度中に着手し、すでにその適切な作成方法を突き止めた。以上のことから、本申請研究は当初の研究計画以上に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの実験結果を取りまとめ、上記のステップ(2.3)UASBへの新規バイオリアクターへの適用を、来年度の研究で実施する予定である。コントロール系と新規バイオ担体を含むUASBを連続運転し、排水処理性能の評価、バイオ担体の表面構造や成分解析や、微生物群集構造解析を実施する。
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