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2022 Fiscal Year Annual Research Report

消化管水分挙動解析に基づく薬物-飲食物間相互作用の定量的予測法の確立

Research Project

Project/Area Number 21J21599
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

竹村 美由記  金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特別研究員(DC1)

Project Period (FY) 2021-04-28 – 2024-03-31
Keywords薬物吸収 / 薬物-飲食物間相互作用 / 浸透圧 / 消化管内水分動態
Outline of Annual Research Achievements

薬物-飲食物間相互作用による薬物の血中濃度変動は、薬物の性質に対する飲食物の影響に基づく多彩な交絡因子によって生じる。本研究では、飲食に伴う消化管生理環境の変化(浸透圧、pHなど)や薬物固有の性質 (膜透過性、溶解性など)を複合的に解析し、消化管内環境を反映したダイナミックな数理モデルの構築とそれに基づく薬物-飲食物間相互作用の定量的予測法の確立を試みる。
吸収低下を巡る薬物-飲料間相互作用において、元来フルーツジュース(FJ)の成分によるOATP2B1の阻害が関与していると考えられている。そこで本年度は、薬物-FJ間相互作用の推定因子に対する寄与解析を行うことを目的として、OATP2B1基質を用い、薬物-FJ間相互作用に影響する浸透圧およびOATP阻害の分離評価を試みた。まず、in situ吸収実験によりラット消化管内の水分挙動を観察したところ、Apple juice (AJ)および高張糖液において浸透圧に依存した水分分泌が観察された。次に、消化管吸収性を検討したところ、その吸収率は高張糖液に比べAJで有意な低下を示した。本現象は、高張糖液併用下では浸透圧効果のみが観察されたのに対し、AJ併用下では、含有成分によるOATP阻害効果を加えた複合的な効果が観察されたと考えられた。同様の傾向が、ラットin vivo経口投与実験においても観察された。以上より、FJ併用による薬物の吸収低下は、浸透圧とOATPによる複合的な影響に起因している可能性が示された。
これまで溶液浸透圧に起因した水分変動に基づく薬物の吸収低下は、主に低膜透過性の薬物を用いて検討を行ってきた。しかし、膜透過性や吸収部位の違いにより吸収低下を示さない薬物の存在が推察された。そこで現在は、幅広い膜透過性を有するモデル薬物を用いて、浸透圧に起因した吸収低下と薬物の膜透過性との関係性の定量的解析を試みている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、飲食に伴う消化管生理環境の変化(浸透圧、pHなど)や薬物固有の性質 (膜透過性、溶解性など)を複合的に解析し、消化管内環境を反映した薬物-飲食物間相互作用の定量的予測法の確立に挑んでいる。今年度は、飲食を摂取した際に生じる水分分泌が、薬物の吸収に及ぼす影響とトランスポーター阻害に伴い薬物吸収が複雑に変化する可能性に着目し、相互作用メカニズムを分離評価することで、その薬物吸収への影響を定量的に評価した。その結果、ラットを用いたin vivoおよびin situ実験から、飲料併用による薬物の吸収低下は、浸透圧とトランスポーターによる複合的な影響に起因していることを明らかにした。現在、浸透圧に起因した吸収低下と薬物の膜透過性との関係性の定量的解析を試みており、薬物-飲食物間相互作用の定量的予測を実現するための研究は着実に進展している。

Strategy for Future Research Activity

まず、昨年度の検討項目であった浸透圧に起因した吸収低下と薬物の膜透過性との関係性の定量的解析を引き続き行う。
また、当初予定通り、飲食後の消化管内水分動態を考慮した薬物相互作用予測を行うため、
実験的に算出した膜透過速度および溶解度を基に幅広い膜透過性 (高膜透過性・低膜透過性)および溶解性 (高溶解性・低溶解性)を有する多彩なモデル薬物を用いたラットin vivo経口投与実験により血中濃度推移から薬物吸収変動の程度を評価する。得られた各薬物のパラメータ(膜透過速度、溶解度、血中濃度-時間曲線下面積)および溶液浸透圧を統合的に相関解析することで、薬物固有の性質と浸透圧に起因した薬物-飲食物間相互作用との関連性を評価する。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] 薬物-飲料間相互作用に及ぼす浸透圧およびOATPの影響とその寄与解析2022

    • Author(s)
      竹村美由記、白坂善之、稲永上輝、荻さやか、玉井郁巳
    • Organizer
      日本薬剤学会 第37年会
  • [Presentation] Quantitative analysis of the effect of osmolality on beverage-drug interaction by evaluating ingredient absorption2022

    • Author(s)
      Miyuki Takemura, Yoshiyuki Shirasaka, Sayaka Ogi, Ikumi Tamai
    • Organizer
      The Globalization of Pharmaceutics Education Network (GPEN)
    • Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2023-12-25  

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