2023 Fiscal Year Annual Research Report
新奇オペランド計測による電気二重層トランジスタ内部のサブナノスケール多次元解析
Project/Area Number |
22KJ1476
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
五十嵐 陽彦 金沢大学, 新学術創成研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Keywords | 原子間力顕微鏡 / イオン液体 / 固液界面 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、動作環境下にあるイオン液体(IL)を使用した電気二重層トランジスタ(EDLT)内部におけるEDLT基板とIL界面の3次元構造を直接分子分解能で観察可能な3次元走査型力顕微鏡(3D-SFM)を開発し、それを用いてEDLTのデバイス特性の発現メカニズムを解明することが目的である。本研究において採択者は、モデル試料である電気二重層キャパシタ(EDLC)内部のIL(DEME-TFSI)/金(111)電極界面の3D-SFM計測に取り組み、未解明であった観察機構の確立を行うと共に、界面のナノ構造からEDLCのデバイス特性の発現メカニズムの解明に取り組んだ。これにより、3D-SFMを用いたIL構造観察における探針電荷の影響を明らかにし、3D-SFMを含む原子間力顕微鏡によるIL/固体界面観察手法の高精度化に繋がるも成果を得た。また、界面の3次元ナノ構造の電極電位依存性と電気化学インピーダンス法から得られるEDLCのキャパシタンス特性との相関から、第一吸着層の厚みがキャパシタンスに大きな影響を齎していることを明らかにした。さらに、オープンループ電位顕微鏡(OL-EPM)を用いたIL(DEME-TFSI)/金電極界面における電位分布と力分布の同時計測も実施し、界面の構造と電位分布の同時取得にも成功した。また、EDLT内部のIL(DEME-TFSI)/STO界面のオペランド3D-SFM計測にも取り組み、DEME-TFSI中で、STOの原子レベルのステップ-テラス構造の観察に成功し、デバイス動作環境下でのDEME-TFSI/STO界面構造の直接観察も行うことができた。
|